11月6日、ももいろクローバーZの高城れにさん(29)が日本ハムファイターズの宇佐見真吾選手(29)との結婚を発表。たくさんのモノノフ(ももクロファンの呼称)から祝福の声が飛びました。
ももクロも今や全員20代後半です。数年前から「結婚してママになっても、ももクロを続けたい」「そんな女性アイドルグループはいないから挑戦したい」と言っていましたが、ついに現実味を帯びてきました。近年は結婚・出産しても“アイドル”として活動を続ける例が増えていますが、いよいよ、ももクロというビッグネームが「アイドルと妻の二刀流」に挑みます。ももクロはこれからも飛躍できるでしょうか。
発表翌日、スポーツ各紙の一面を飾った高城さんはインタビューでこんなコメントをしています。
「ももクロの高城れには今まで通り」
「結婚しても変わりません」。
実は、この言葉はすごく意味が深いのです。少し砕いてみます。
笑顔を奪いたくない
モノノフのなかには「おめでとう」と言いつつも「やっぱりつらい」など、否定的な声があったのも事実。特定の人の妻になったショックに“アイドルブルー”を感じた人はたくさんいたはずです。
そんななかで注目したのが、11月12日、群馬県安中市でのコンサートでした。結婚発表後、はじめてモノノフの前に姿を見せる高城さんやメンバーがどんな振る舞いを見せるか気になったのです。会場は祝福ムードに包まれ、最初のMCで「人妻!」などといじられつつ高城さんは幸せそうでした。……が、結婚ネタのトークはそれ一度きりでした。
コレを聞いて「さすが」と思いました。おそらく今後、ももクロから高城さんの結婚をネタにしたトークはしなくなるでしょう。詳しくいうと、高城さんはメディアで夫婦生活のトークをしたり、SNSに旦那様との出来事や写真を載せるなど、妻としてのプライベート面は極力シークレットに努めると思われます。実際、あれから2週間以上が経過していますが結婚後のエピソードは入ってきません。
それはなぜか? モノノフにネガティブな思いをさせたくないからです。高城さんが夫婦の匂いのするアクションを起こすたびに「やっぱ結婚してるんだよな……」と現実に気づき、熱が冷める人はきっといます。結婚していると分かっていてもおのろけを聞かされるって、やっぱイヤですよ。今までと変わらない高城さんでいてほしいのは当たりまえです。
つまり高城さんの「今まで通り。結婚しても変わりません」は、言い換えれば「妻の顔は伏せて、今まで通りアイドルの自分を見せて行く」という意味です。高城さんもメンバーも、モノノフの芯にあるナイーブな気持ちを理解しているんです。
モノノフのやさしいレスポンス
高城さんは結婚の決断に「モノノフさんならわかってくれるはず」と信用しながら、でも不快に思う人を気づかう発言もありました。すると、それを逆に思いやるモノノフがTwitterで「#れにちゃんの笑顔守りたい」というタグを作り、たくさんのメッセージを送っていました。これを知った高城さんは本当に嬉しかったでしょう。誰が言ったか「ももクロの喜びはモノノフの喜び」とは美しい言葉。高城さんと宇佐見選手には末永く幸せになってほしいです。
ももクロのミライへススメ
しかし予想できないことがひとつあります。本当に未知なのは妊娠・出産・育児の休み期間が考えられること。1年ほど休養すると、その期間のももクロは3人体制になりますからどんな活動内容になるかはわかりません。
さらにおかしなことを言いますが、もし、ももクロがみんな結婚して子を宿し、この休養期間が被ればグループ活動そのものが休止というケースも有り得ます。それだけ女の子アイドルが、ももクロが、永く活動を続けるのはイバラの道なのかもしれません。
……でも、私は思うのです。これも唯一無二のアイドル「ももいろクローバーZ」だったら乗り越えるんじゃないか? 今までどれだけ驚かされてもついてきたモノノフならそれすら楽しむんじゃないか? たとえばメンバー全員出産で休養……からの完全復帰ライブ! なんてことがあったら前代未聞のムチャクチャです。芸能史に残る伝説ですよ(笑)。そんなぶっ飛んだアイドルを応援しないわけがありません。ももクロは逆境をチャンスに変えるアイドルですから、どうなってゆくのか未来が楽しみでなりません。
(石原久稔)