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続・心霊写真も写ルンです


 今年で発売30周年を迎えたレンズ付きフィルムには、とある奇妙な噂があった。それは「レンズ付きフィルムだと心霊写真が撮れやすい」というもので、都市部の中高生が主な発信源だったとされる。だが、それだけなら多感な少年少女の他愛もない噂として、大人がまじめに取り上げることもなかっただろう。また、既に当時から読者が投稿した心霊写真を鑑定したうえで紹介する雑誌のコーナーや投稿写真集なども存在したが、レンズ付きフィルムなら心霊写真が撮れやすいといった噂については、あまり積極的に紹介しなかったようだ。

 しかし、それとは別に大人の世界でも、同じような噂が囁かれていた。それは、もっぱら賃貸や個人向け物件を扱う都市部の不動産業者同士の内輪話として、そのような噂が流れていたとされるのだ。

 賃貸や個人向け物件には事故物件というリスクが付きまとうためか、もともと不動産業者には土地や人にまつわるインネンやゲンを「担ぐ人」が多く、その種のオカルトめいたうわさ話を嫌う人も少なくないが、他方で密かに信じる人も少なくなかった。さらに、当時はバブル景気のまっただ中で、俗に地上げと呼ばれた強引な土地売買も横行しており、それにともなうトラブルが社会問題化していた。

 そして、進学や就職などによって継承されにくい青少年の噂と違い(都市伝説3〜6年周期説は青少年のライフサイクルを根拠としている)、地域に密着した不動産業者の噂には持続性があった。また、不動産業者には地元のことを熟知しているイメージもあり、信ぴょう性を帯びていったのだろうと推測する。

 では、実際にレンズ付きフィルムで撮影すると、心霊が写りやすかったのだろうか?

 結論から言うと、レンズ付きフィルムで撮影された心霊写真は非常に多く、また構造や使用状況などからも写りやすかった可能性は高いと推測できる。

 なぜ、レンズ付きフィルムは心霊を写真に撮りやすかったのだろうか?

(続く)

【記事提供:リアルライブ】
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