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【帰ってきたアイドル親衛隊】お客さんが私だけという空間でデビュー曲『夢色メッセージ』を歌ってくれた西村知美


 1980年代はアイドルブームということもあり、アイドルが出演するテレビ番組はもちろんのこと、アイドル雑誌も多く発売されていて、アイドル好きにとっては天国のような時代だった。王道の『明星』『平凡』があって、『BOMB』『DUNK』などA5サイズの雑誌はまさにバイブルだった。そんな数多くあった雑誌の中でも『Momoco』という雑誌があり、雑誌の企画で誌上オーディションが行われて、そこから多くのアイドルも輩出されていて、そこに注目しているファンも多くいたのだ。

 85年4月に『第1回ミスモモコクラブ』が開催された。そこでグランプリを獲得したのが西村知美である。同じく受賞者である杉浦幸と島田奈美で「桃組3人娘」と呼ばれるようになった。受賞してから本格的に芸能活動がスタートし、86年3月20日に1stシングル『夢色メッセージ』が発売。ここから本格的なアイドル活動がスタートすることになった。

 デビューは年が明けた頃に決まり、デビューから約1か月前の2月18日に私は西村知美と初遭遇を果たすことになった。この日は自分の通っていた高校が受験の日ということで、在校生は休みになった。高校生にとっての平日の休みは貴重なので、どこかでアイドルに会える現場はないか探していたところ、朝の生放送番組『おはようスタジオ』(テレビ東京)の観覧に行くことにした。番組のスタート時間が早いため、夜が明ける前に家を出たのだが、当日はすごい雪が降っていた。行くのを止めるという選択肢もあったが、新聞のテレビ欄に西村知美の名前が書いてあったので、こんな悪条件でも私の中では行かないという選択肢は無かった。

 現地に着くと観覧のお客さんは誰もいない。そこにいるのが私だけだった。観覧席にひとりでポツンと座って観ていたのだが、スタジオにはデビューを控えている西村知美がいる。しかもお客さんが私だけという空間で、デビュー曲『夢色メッセージ』を歌ってくれた。

 こうやって西村との強烈な出会いがあり、その後も西村を観に行く日々が続いた。86年の8月頃に後楽園けやきステージでイベントがあり、そこに西村が出演することを耳にした。この場所は私にとってホームで聖地でもあるので、西村目当てで観に行くことにした。この日はゲストにTHE GOOD-BYEがいたことで、ジャニーズファンでごったがえしていた。これはまともに観れる気がしなかったので、諦めて後方に向かうところ「大島君?」と声を掛ける女性がいた。その女性は中学時代に地元の塾が一緒の子だった。話しを聞いてみるとTHE GOOD-BYEのファンであり、私のために前方の席を用意してくれたのだ。3年ぶりくらいに会ったのだが、この子の優しさには感謝しか無かった。

 常に現場は生き物だと思っている私だが、今度は中村繁之の公開ラジオに素人ながらアイドルファン代表としてクイズコーナーに出演することに。その時のゲストは西村と杉浦幸だった。桃組三人娘の2人の共演ということで、私の気持ちも最高潮に高まっていた。しかしステージ上では、西村を目の前にして思っていたことは言えずに番組は終了してしまった。

 ちょっとシコリが残ったまま西村と会う機会を無くしてしまったが、そこから数年が経ち、私が芸人になった時に『EXテレビ』(日本テレビ系)という番組で前説をしていた時に、西村がゲスト出演した。本番前に軽く立ち話しをした程度だったが、これまでの想いをすべてぶつけられて、当時のシコリも取れて、晴れ晴れとした気分になれた。

 それ以降は西村と会う機会は無いが、今でもタレントとして元気な姿を見れるので、それだけでも嬉しい気持ちになれている。現在は45歳になった西村だが、アイドル当時のカワイイままなので、たまに当時のニックネームだった「トロリン」なんて呼んでしまうこともある。もし実際に会う機会ができたなら本人に「トロリン」と声を掛けてみたいと思う。

(ブレーメン大島=毎週土曜日に掲載)

【ブレーメン大島】小学生の頃からアイドル現場に通い、高校時代は『夕やけニャンニャン』に素人ながらレギュラーで出演。同番組の「夕ニャン大相撲」では元レスリング部のテクニックを駆使して、暴れまわった。高校卒業後は芸人、プロレスのリングアナウンサー、放送作家として活動。現在は「プロのアイドルヲタク」としてアイドルをメインに取材するほか、かつて広島カープの応援団にも所属していたほどの熱狂的ファンとしての顔や、自称日本で唯一の盆踊りヲタとしての顔を持つことから、全国を飛び回る生活を送っている。最近、気になるアイドルはNMB48の三田麻央。

【記事提供:リアルライブ】
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