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KING OF STRONG STYLEを胸に…中邑真輔“世界”に挑戦!


 「悩んでいたのは、2年ぐらい前からですかね」

 25日に新日本プロレス本社で行われた退団記者会見で「決意した時期」について質問されると、中邑はこう明かした。最終的に決意したのは昨年11月だったと語っているが、今にして思えば2014年からは「中邑真輔サヨナラツアー」だったと言っても過言ではない。それぐらいこの2年というのは、中邑とゆかりがある選手との対戦が多い期間だった。その軌跡を振り返ってみよう。

【棚橋、柴田との再会、グレイシーに12年越しのリベンジ】

 2014年は、まず1・4東京ドーム大会で“運命のライバル”棚橋弘至に敗れ、IWGPインターコンチネンタル王座(以下インターコンチ)を失う形でスタート。2月の広島大会でのリターンマッチにも敗れた。しかし、3月のNEW JAPAN CUP 2014では決勝に進出。対戦相手であるバッドラック・ファレのパワー殺法に苦しみ、流血するハンデを背負いながらも逆転勝利を果たし優勝。試合後にはIWGPヘビー級王座ではなく、インターコンチへの挑戦を表明した。

 4月の両国国技館大会で棚橋からベルトの奪還に成功すると、中邑がINOKI BOM-BA-YE 2002にて総合格闘技ルールで対戦し、敗れた相手であるダニエル・グレイシーが挑戦表明してきた。バックステージでは「ダニエルもホーレス(・グレイシー)もいつか、こっちから突っついてやろうかって思ってたんスよ。それが向こうから来るとはね」と感慨深い表情でコメントしている。

 桜庭和志とのタッグで臨んだ5・3福岡大会では敗れてしまったが、5・25横浜アリーナ大会でダニエル相手にインターコンチの防衛に成功。自身が語った「出世試合」のリベンジを新日本のリングで果たした。

 6月の大阪大会でファレに敗れインターコンチを明け渡すが、7月から開幕した“空前絶後”のG1クライマックスでは決勝に進出。決勝の舞台となった8・10西武ドーム大会で行われたオカダ・カズチカとのCHAOS同門による決勝戦は名勝負だったが、惜しくも敗れ準優勝に終わる。

 9月の神戸大会でファレを破り再びインターコンチ王者に返り咲くと、10月の両国大会ではタッグで対決した柴田勝頼を次期挑戦者に逆指名。棚橋とともにかつて“新・闘魂三銃士”と呼ばれた柴田との危険な再会は話題を呼んだ。その柴田を11月の大阪大会で退けると、飯伏幸太の襲撃と挑発に遭い、2015年の闘いに続いていく。

【飯伏との激戦、同期対決、棚橋との惜別マッチ】

 「2015年の新日本プロレスにおける自分の試合というのは、常に100%以上のモノを求めて、かつ自分にとっては特別な、今の中邑真輔を形成する上で特別だった人間とやり合えた。1月4日の飯伏君、12月の後楽園での田口(隆祐)に至るまで」

 中邑は退団を決意したポイントについて質問されると、このように2015年の闘いを例に挙げた。2015年は1・4東京ドームで飯伏との激戦を制すと、2月の仙台大会では中邑が新日本本隊を離れてからも一目置いていた“ミスターIWGP”永田裕志を相手に防衛。そして5月の福岡大会では、中邑が仕掛ける形で“同期”の後藤洋央紀と防衛戦を行うも敗れ、7月の大阪城ホール大会でのリターンマッチにも連敗。

 同月から開幕したG1クライマックスでは、怪我で戦線離脱してしまったものの途中復帰し、2年連続で決勝まで駒を進めた。決勝の相手は棚橋となり、2人のシングル戦の集大成のような試合を繰り広げたが中邑は惜敗し、2年連続で準優勝。試合後には中邑から手を差し伸べて握手を交わし、手を挙げて棚橋を称えた。もしかしたら、中邑の中で「これが棚橋との最後のシングル」という思いがあったのかもしれない。

 9月の神戸大会では、後藤に再び挑戦し、インターコンチを三たび奪取。11月の大阪大会では、デビュー後にLA道場で練習を積み、苦楽をともにしたカール・アンダーソンを相手に防衛に成功する。そして、試合後に挑戦表明したAJスタイルズとの対決が、今年の1・4東京ドームで組まれることになった。

 中邑が語っているように、昨年末の後楽園大会では後藤と同じく同期で、中邑を意識した“オヤァイ”でブレイク中の田口ともシングルを行っており、同期という点で言えばヨシタツ(長期欠場中)とリング上で再会できなかったのが悔やまれるが、改めてこの2年間を振り返ってみると、AJとのシングル初対決というのは新日本マットで残された最後のピースだったことがよく分かる。

「今後は新たな刺激、環境、舞台を求めて、挑戦し続ける所存であります」

 退団会見で中邑が表情を崩すことはほとんどなかった。しかし、菅林直樹会長から激励の花束を渡されると、数秒間深々と頭を下げ、握手。その姿からは、新日本を“旅立つ”のではなく、新日本の“KING OF STRONG STYLE”中邑真輔が“世界”に挑戦する決意が感じられた。

 新日本のプロレスが世界に通用することを証明するため、中邑は世界へと旅立つ。

(増田晋侍)

<リアルライブ・コラム連載「新日Times」VOL.3>

【記事提供:リアルライブ】
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