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ドラフト戦線異常アリ 星野カラーで決まる楽天の正遊撃手候補とポスト嶋



 過去3年を振り返ると、ファンをもっとも喜ばせたのは東北楽天ゴールデンイーグルスではないだろうか。森雄大、松井裕樹、安樂智大と、その年のナンバーワン高校生投手の1位指名に成功している。『将来性』に重点を置いた方針が引き継がれるとすれば、高橋純平(県岐阜商)、小笠原慎之介(東海大相模)、地元の雄・佐藤世那(仙台育英)、甲子園未登板ながらU−18日本代表に選ばれた好右腕・森下暢仁(大分商)らの入札が予想できる。しかし、2年連続の現状を考えると、則本昴大に次ぐ先発ローテーション候補、つまり、大学生、社会人の完成された投手を指名してくるかもしれない。

 大学なら、“東北繋がり”の富士大・多和田真三郎(右投右打)、仙台大・熊原健人(右投右打)、東北福祉大・佐藤優(右投左打)がいる。熊原に関してはかなり速い時期から巨人が密着していたため、「巨人の外れ1位筆頭候補」とも目されているが、4年生になって、故障明けの大事を取り、登板を控えている。多和田も登板回避があり、『即戦力』で絞り込むなら、3人のなかで佐藤優の評価がもっとも高いはず。だが、ドラフトを含め、戦力補強の陣頭指揮を執っているのは星野仙一副会長である。今年に入って、評価を落としているが明治大の左腕・上原健太がいる。明治大は星野副会長の母校でもある。上原は広島県広陵高の出身で、広島カープの1位入札も十分に考えられるが、星野カラーで上原が選ばれるかもしれない。
 「昨年までは、1位入札の最終決定は三木谷浩史オーナーと相談して決まりました。三木谷オーナーがスカウト陣の報告を無視して自分の意見をゴリ押ししたなんて話は聞いたこともないが、一連の現場関与報道で三木谷さんは疲れています。今年は星野副会長に全て任せるのでは」(他球団職員)

 また、チーム事情からして補強すべきは、遊撃手と捕手。正捕手・嶋、伊志嶺の故障が相次ぎ、楽天はブルペン捕手だった横山徹也を緊急に育成選手登録する“醜態”を晒しており、「嶋が元気なうちに後継者を」の声も高まっている。一部報道で「巨人が狙っている」と伝えられたトヨタ自動車の木下拓哉(右投右打)、社会人ベストナインにも選ばれた戸柱恭孝(右投左打)、大学日本代表の正捕手だった明治大・坂本誠志郎(右投右打)らをチェックしているという。高校生を育てるのなら、健大高崎の柘植世那(右投右打)、静岡高・堀内謙伍(右投左打)、初芝橋本高・黒瀬健太(右投右打)だろう。
 「高校生捕手は育てるのが難しい。二軍戦で18歳に配球のサインを出させようとすると、一軍昇格を目指す投手は『こっちは生活が掛かっているんだ!』と怒ってしまう。高卒捕手を育てるのは難しい」(ライバル球団関係者)

 ショートには阿部、西田といった中堅選手がいるが、安定感に欠く。即戦力の野手をドラフトで求めるならば、國學院大学の柴田竜拓(右投左打)だろう。柴田に関しては、広島・苑田聡彦スカウト部長が「守備はプロの一軍レベル」と評し、日本ハム・山田正雄アマスカウト顧問も「すぐ使える」と太鼓判を押していた。状況的に菊池・田中の二遊間コンビを持つ広島が柴田を上位指名することは考えにくい。日本ハムは内野手の補充も考えているが、高校生遊撃手なら、仙台育英の平沢大河(右投左打)もおり、日ハムは育成に定評のあるチームでもあるだけにこちらを先に獲ろうとするのではないだろうか。
 星野副会長は楽天監督時代、則本昴大(三重中京大)の指名順位を挙げ、地元中日を出し抜いてみせた。現時点では想像の域を出ないが、そんな星野流のドラフト戦略を考えると、1位で地元の平沢か、柴田を単独指名し、2位以下で大学生投手を獲る戦略もあるのではないだろうか。

【記事提供:リアルライブ】
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