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巨人『大型補強』復活説のオモテとウラ(2)



 DeNA・中畑清監督も『続投』が正式に決まったようだ。球宴前後に南場智子オーナーから直々に続投を要請されたが、返事はいったん保留。「早すぎる指揮官の去就決定」はチームに悪影響をもたらす危険性もあり、同時に中畑監督自身にも「頭角を現した若手を、この先どう育てていくべきか」と考えるところがあったようだ。それが、続投要請を正式に引き受けるまで時間が掛かってしまった理由だという。
 「中畑監督から(続投要請を引き受ける)条件みたいなものも出されました。エースを張れる投手と正捕手の獲得です」
 その正捕手獲得で、中畑監督は古巣・巨人との争奪戦を繰り広げることになりそうだ。

 今オフ、動く可能性がある捕手がパ・リーグにいる。今季、国内FA権を取得した大野奨太(日本ハム)、海外FA権取得の炭谷銀仁朗(西武)、嶋基宏(楽天)の3人だ。
 「炭谷は昨年も残留か移籍かで揺れました。残留して正捕手として活躍しましたが、打撃面で成長著しい森友哉との兼ね合いを考えると、決心する可能性も高い。西武は残留を決めた炭谷に複数年契約を提示していません」(プロ野球解説者)

 しかし、対照的な情報もある。「炭谷はカネで動かない」というものだ。涌井秀章が千葉ロッテにFA移籍した13年オフ、炭谷は最後まで「一緒にやりましょう」と慰留に努めていた。チーム愛が強く、捕手として、味方投手やチームメイトに信頼されていることにやり甲斐を感じているという。
 「昨年オフ、炭谷獲得を狙った中日は水面下で好条件を提示していたと聞いています。それでもチームに残留したのだから、炭谷が動くことはないと思う」(西武OB)

 日本ハムは“チームの新陳代謝”が激しい。22歳の近藤健介を近いうちに正捕手に繰り上げる構想がある。若手育成には定評があるものの、高給取りのベテランに冷たい。13年オフに鶴岡慎也がソフトバンクに移籍し、昨年オフも大引啓次を引き止めなかった。FA取得選手を強く引き止めない傾向は今に始まった話ではなく、大野も新天地を求めて出て行った先輩たちの気持ちは分かっているという。

 「嶋はこのチームでもう一度優勝したいと言って残留しました。ただ、三木谷オーナーの現場関与に『もっとも憤っているのは嶋』との情報もあり、各球団とも慎重に調査しています」(球界関係者)

 巨人はポスト阿部として期待されていた小林誠司がそのチャンスを掴みきれなかった。また、谷繁元信兼任監督が『選手引退』を決めたとされ(9月24日時点)、正捕手争奪戦に中日も割り込んでくるのは確実だ。
 「相川亮二をヤクルトからFA補強した14−15年オフ、二軍首脳陣が『期待の星』として鍛え上げていた高卒2年目の奥村展征を人的補償で奪われてしまいました。FA選手を狙うのも良いが、プロテクト名簿作りで頭を悩ませています。相手球団の戦略が読みきれずに痛い思いをしているのだから、FAに重点を置く補強は見直した方がいい」(プロ野球解説者)

 巨人にも有望な中堅、若手がいる。他球団は何人かの中堅選手の名前を挙げ、「使わないのなら、くれ!」と毎年のように巨人にトレードを申し込んでくる。その際、巨人は「出せない」と突っぱねるが、数試合使うだけで、ちょっとでも打てなくなるとすぐに引っ込めてしまう。中畑DeNAとの正捕手争奪戦はどうなるのか、巨人は補強と育成のバランスを考え直すべきだが…。

【記事提供:リアルライブ】
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