
東京・新宿のK’s cinema1館で7月31日に封切り後、話題を呼び、22日間連続オンラインチケット完売の快挙を果たした上坂龍之介監督(31)の自主映画「レンタル家族」が全国90館へ拡大上映されることが決まった。
自主映画では「カメラを止めるな!」や「侍タイムスリッパー」に続く流れで、本公開から丸3か月が経ち、4か月目へ突入のロングランとなっている。
デビュー作が大反響となっている上坂監督もコメントを寄せ「初めて監督した自主映画が、全国90館で上映されることになりました。映画を作り始めたとき、こんな未来が待っているとは夢にも思っていませんでした。大きな宣伝もできないこの映画を、ここまで連れてきてくれたのは、劇場に足を運び、『誰かに観てほしい』と声をあげてくださった観客の皆さんです。映画の運命は、作り手だけが決めるものではない。そのことを今、身をもって感じています。『レンタル家族』は、人と人とのつながりを描いた映画です。そして今、この映画自身が、人と人とのつながりによって全国へと広がっています。この奇跡の続きを、ぜひ全国の映画館で見届けていただけたらうれしいです」と思いをつづった。
「レンタル家族」は、主演の荻野友里が演じる認知症の母を抱える沼田洋子が「レンタル家族」サービスを利用することを通じて、現代社会における家族の絆やつながりを深く問い直すヒューマンドラマ。上坂監督にとって初監督作ながら、第23回中之島映画祭でグランプリを受賞。25年末に新宿K’s cinemaで1週間限定の自主上映を行い、全回満席を記録。7月31日の上映から22日間連続オンラインチケットが完売するなどし、全国へと上映館数が増加していた。
◆「レンタル家族」 東京の会社に勤務する沼田洋子(荻野友里)は、仕事で多忙な毎日を過ごす傍ら、定期的に実家へ帰省をし、父・忠勝(黒岩徹)とともに認知症の母・千恵子(駒塚由衣)のケアをしている。千恵子の症状は進行が早く、洋子が数年前に離婚したことさえ忘れ、帰省の度に元夫と娘について聞くのであった。ある日、取引先の担当者から「レンタル家族」を紹介され、体験レンタルを強く勧められ、耳なじみのないサービスに戸惑ったが、断りきれずレンタル夫を家事代行として自宅に呼ぶ。派遣された松下豪(龍輝)と馬が合い、千恵子のことを相談すると自分を夫、知り合いの子役・安田朱里(中本りな)を娘として、家族を演じることを提案。日々進行していく千恵子の認知症、不器用ながら千恵子を支えようと奮闘する忠勝、複雑な事情を抱えながらレンタル家族を担う松下と朱里…洋子は、自分を取り巻く“家族たち”と月日を重ね、新たな幸せのかたちに触れていく。
