
9月18日に多臓器不全のため91歳で亡くなった、ドラマ「北の国から」などの脚本家倉本聰(くらもと・そう、本名山谷馨=やまや・かおる)さんのお別れの会が3日、北海道・富良野市内で行われた。倉本さん客のテレビ朝日系ドラマ「祇園囃子(ぎおんばやし)」への出演などで交流していた俳優の舘ひろし(76)が参列。思い出すのは「舘くん、セリフは適当でいいよ」という言葉だったと明かした。
「初めて会ったのは赤プリ(東京・赤坂プリンスホテル)で、渡(哲也)さんに呼び出されて」と振り返った。それまで倉本さんの作品に出演したことはなく、事務所の先輩でもあった渡さんに「ひろし、お前も倉本先生の作品に」と、出演のお願いをするよう勧められたという。それを舘が「僕は褒められて伸びるタイプなのでダメです」と、自ら断る形を取ったと笑って明かした。倉本さんは“一字一句、台本のセリフを変えさせない”と称されていた。そのスタイルとは合わないと思い込み、自らそう話したという。
それでも倉本さん脚本の作品に出演することになると「舘くん、セリフは適当でいいからね、って。最初から見放されていたような(笑い)。『倉本学校』があるとしたら、僕は1番、ダメな生徒。『こいつには無理だ』と思ったんじゃないかな」と、懐かしそうに話した。ただ「そう言われると悔しくて『てにをは』を変えなかった。でも、本当にいい本。勉強になりました」という、役者魂が認められた格好だった。
最後に対面したのは約1年半前。映画「ゴールデンカムイ」の撮影で、北海道・小樽に来た際に、足を伸ばして富良野にやって来たという。「一晩、一緒にお酒を飲みました。まあ、いろいろと言えない話もして」と話し、仲の良さをにじませた。倉本さんには「舘くんは、コメディーの方がいいね」と褒められたという。その上で「コメディーを書くよ」と約束されていた。それが最後に会った日の会話だった。舘は祭壇に「お世話になっております。お疲れさまでした」と、長年の労をねぎらって心の中で語りかけた。都内から日帰りで駆けつけ、恩人に最後の別れを告げた。
