
演歌歌手市川由紀乃(50)が1日、東京国際フォーラムホールCで毎年秋恒例のコンサート「爛漫」を開催した。
「歌と共に生きていく。その思いで私は今日も歌います」と決意のナレーションが流れてから「朧」で幕を開け、「ノクターン」へと続けた。
最初のあいさつで、公演タイトルについて「これからの歌手人生。どんな逆境にも負けず、美しく豊かに咲きたいとの思いを込めました」と説明した。
24年6月に卵巣がんによる治療のために活動休止を発表。25年5月発売の「朧」で復帰した。現在は治療を終えて定期検査による通院をしている。「今日は復帰作や、発売してから間もなく活動休止になった作品『ノクターン』を届けられてうれしい」と笑顔を見せた。
芸名の「市川」をもらった恩師の作曲家市川昭介さん(06年に73歳で死去)がデビュー7年で初めて手がけてくれたのが「海峡氷雨」。歌唱前には「今年は市川先生が旅立って20年。『悲しい歌を歌う時こそ、ほほえんでごらん。上を見て涙をこらえて歌うからこそ、聞く人に届くんだよ』と教えていただいた。先生の教えを大事に守って思いを伝えたい」と続けた。
さだまさしの「いのちの理由」、中島みゆきの「時代」、竹原ピストルの「サンサーラ」のカバー3曲を歌唱する際には「歌には人生を包み込む不思議な力がある。人はなぜ過酷な人生にも立ち向かって生きていこうとするのか。激しい嵐の夜も必ず明ける。命の尊さを名曲の力をかりて届けたい」などと曲紹介をした。
後半では「昭和生まれの渡り鳥」「横笛物語」「秘桜」のオリジナル3曲のアレンジを変えて披露。「私には悲しく切ない曲が多い。和の素晴らしさを海外に伝えたいので、ロックテイストやオリエンタル調にアレンジしました」。今年6月、東京・中野の「台湾文化祭」でスペシャルアンバサダーに就任したことなどが縁で、11月末に台湾の「日本祭2026」で歌唱することが発表された。
9月は観測史上、初めて全ての日で東京都心に雨が降った。それが一転、10月初日は30度を超えて真夏日。市川の公演も20曲の“歌の花”を華麗に熱く咲かせた2時間超のステージだった。「デビュー34年。良いことも悪いことも全てが私の力になっています。今日は幸せです」。満面の笑みで締めくくった。
