
雪組トップ朝美絢主演「ポーの一族」が12日、東京宝塚劇場で開幕する。朝美に迎えられた新トップ娘役音彩唯(ねいろ・ゆい)にとっての本拠地お披露目。宝塚に続いての東京公演開幕を前に、公演を通じて得た思い、トップ娘役就任の重み、朝美とともに目指すコンビ像、そして、同期との絆や今作で宝塚を去る専科の美穂圭子への思いなどを語りつくした。公演は10月25日まで。
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★「幸せな気持ち」
音彩が東京宝塚劇場でのお披露目を迎える。
先んじて上演を終えた宝塚大劇場では「毎日本当に新鮮な気持ちを感じながら」過ごし、あっという間に充実の40日を過ごした。
メリーベルに感じた「風をまとっているイメージ」を大切に、「漫画から登場人物が出てきているかのよう」に演じた。羽根を背負って大劇場の大階段を下りることには「全然慣れません」と苦笑しながらも、「皆さんへの感謝も感じますし、お客さまの温かい拍手をいただいて幸せな気持ち」と常に感謝の気持ちを忘れない。
★「お役深めたい」
観客の反応を肌で感じ、再演への責任を日々大きく感じながら「東京公演では、大劇場を見てくださった方も、東京で初めて見られる方もいらっしゃると思いますが、新たな雪組の『ポーの一族』をしっかりお届けできるように、お役を深めていきたい」と意気込む。
朝美とは「海辺のストルーエンセ」と「An American in Paris(パリのアメリカ人)」で共演。トップ娘役就任時には「毎回新鮮な私たちをお届けできたらいいね」と言葉をかけてもらった。10学年上の朝美に対して「どうしてもうまく言葉がうまく出なかったり、課題がいっぱいある」。
だが、そのたびに朝美は「心の距離を縮めるために『どう伝えたら分かってくれるかな』と考えてくださる」といい、「不思議な感覚がありまして、10学年離れているとは思えないような朝美さんが寄り添ってくださる部分が多い」と感謝する。
中学校の時に同級生の影響を受け、宝塚のDVDを見てあこがれを抱き入団。「男役さんの隣にいらっしゃる娘役さんの輝き。宝塚にしかないトップコンビのキラキラ感にすごくあこがれて、私自身も宝塚に入りましたので、男役さんのお隣にいる時にどう娘役としていられるか。本当に細かいところまで繊細にこだわれる娘役になりたいとは日々思っております」。
★音楽学首席で
宝塚音楽学校を首席で卒業。新人公演、東上公演でのヒロイン、エトワールを何度も務める歌声。つねに注目を集める存在だったが、「根本に自信がない部分が多くて、自分の自信のなさをもがく日々でした」。
それでも、宝塚には手を差し伸べたり刺激をくれる上級生や同期、下級生がいた。同じくトップ娘役を務める花組の星空美咲、星組の詩ちづるらを「心強い存在ですし、私より先にトップ娘役という立場を務めている2人にはささいなことでも相談に乗ってもらっています。いつも舞台を見ても刺激を受けますし、普段も温かいエールをもらうことが多いです」と感謝。
たどり着いたトップ娘役のポジションを「いろんな方のお力のおかげだなとしみじみ感じてます」といい、自らが目指す理想像について「まだまだこれから新しく作っていく部分もあるとは思うんですが、宝塚はいろんな作品に出会わせていただける場所なので、毎回毎回、『音彩さんと思わなかった』と思ってもらえるような、七変化できる娘役、役者として育っていけたらいいな」と夢を描く。
★美穂圭子への思い
今作で雪組の娘役として活躍、専科に異動し長く宝塚を支えた美穂圭子が宝塚を去る。音彩にとっても思いは深い。「Lilac(ライラック)の夢路」で共演した際「“娘役として”というところを教えていただきました」。思い悩んでいた音彩に美穂がそっと寄り添い、「はばまいちゃん。何でもいいから、小さな道に咲いてるお花だったり、小さな喜びを普段から見いだせばいいのよ」と声をかけてくれた。
「私はそのお言葉がすっと心に染みて、胸がホッと温かくなる感覚だったり、小さな幸せを日々感じることが、娘役としての表現にもつながるんだなと。圭子さんの醸し出す、お花の舞うような方なので、そこをすごく勉強させていただいた。ご卒業のタイミングでまたご一緒できることを光栄に思います」。美穂からの思いも引き継いで、音彩が東京の舞台に立つ。【阪口孝志】
◆音彩唯(ねいろ・ゆい) 12月18日、神戸市生まれ。19年、105期生として首席入団。雪組配属。麗しいルックスで早くから注目を集め、3回の新人公演ヒロイン、2回の東上公演ヒロイン。圧倒的な歌唱力でエトワールもたびたび務めてきた。26年2月、雪組トップ朝美絢に迎えられトップ娘役就任。同4月「波うららかに、めおと日和」で就任後初作品。身長162センチ。愛称「はばまい」「ばぁ」「ろい」「メロディー」。
◆ポーの一族(脚本・演出、小池修一郎氏) 萩尾望都氏原作の漫画。永遠の時を生きるバンパネラの仲間に自ら加わった少年エドガーが、時空を超え旅を続ける物語。小池氏が30年の構想の末に、18年に花組トップ明日海りお主演でミュージカル化を実現した。
