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松本白鸚さん、森繁久彌さん、西田敏行さんら名優を支えた上條恒彦さん、まさにプロの役者


上條恒彦さん(2010年11月撮影)

歌手で俳優の上條恒彦さんが7月22日に亡くなりました。85歳でした。

上條さんが出演する舞台を初めて見たのは、1979年に帝劇で上演されたミュージカル「ラ・マンチャの男」。当時は市川染五郎を名乗っていた松本白鸚さん演じるセルバンテスが投獄される牢獄の牢名主、そして宿屋の主人役でした。まだ30代でしたが、すでに牢名主の風格がありました。翌年の80年に見た帝劇のミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」では、森繁久彌さんふんするテヴィエとけんかする場面もある肉屋のラザール役でした。それまではクレージーキャッツの谷啓さんが演じていて、上條さんにとっては初演でしたが、森繁さんとは丁々発止のやりとりを見せていました。

「ラ・マンチャの男」出演は77年からで、2023年に横須賀の劇場で大千秋楽を迎えるまで948回も出演しました。白鸚さんに次ぐ最多出演でした。「屋根の上」も01年まで823回も出演しています。

実は「屋根の上」では主役のテヴィエも演じています。86年に森繁テヴィエが上演回数900回を節目に幕を閉じた公演で、上條さんは森繁さんのご指名もあって、マチネーの7回だけ、テヴィエ役で主演したのです。私も見ましたが、温かみと愛嬌(あいきょう)のある父親の姿が印象的でした。

森繁さんとしてはテヴィエ役の後継者は上條さんにとの思いがあったのかもしれませんが、94年に再開した「屋根の上」の主演は西田敏行さんでした。上條さんはその時もラザール役で出演し、西田テヴィエ最後となる01年の公演まで、西田さんを支えました。まさにプロの役者でした。【林尚之】

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