
先日、ちょっと面白い漫才コンビのステージを見てきました。「なにわシーサー`s」で、東京・恵比寿のエコー劇場で上演された漫才ミュージカル「なにわシーサー`s」に主演したコンビです。こんなコンビのことは知らないという人がほとんどだと思いますが、実は俳優の川平慈英(62)と伊原剛志(61)が昨年12月に結成したばかりの出来たてほやほやの新人コンビなんです。
2人は40年ほど前に舞台で共演して以来の大の仲良しですが、4年前に舞台共演した時、60歳還暦を前に「何か面白いことをしたね」という話から、思い立ったのは漫才でした。大阪出身の伊原は吉本などお笑いに人一倍関心があり、川平もお笑いが大好きとあって、とんとん拍子で漫才コンビ結成となりました。
今年1月にはナイツ塙が会長を務める漫才協会の本拠地「浅草・東洋館」での漫才大行進にも出演。大ベテランおぼん・こぼんの後というプレッシャーのかかる出番でしたが、見事に観客の笑いを誘い、こぼんから「うちの協会に入らないか」との勧誘を受けたそうです。
先日見た舞台でも、漫才を披露していましたが、1970年の万博をネタに、本職顔負けの笑いのセンスにあふれ、客席からは笑い声が絶えませんでした。すでに、いわゆる「営業」を何度か経験しており、この漫才ミュージカルの上演だけでなく、コンビとしての活動も広げていきたいそうです。川平・伊原の老練新人コンビがM-1に挑戦する日も近いかもしれません。【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)