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シンガー・ソングライターおかゆができるまで ”流し”が紡いだ縁からメジャーデビュー/連載6


笑顔でポーズをするシンガー・ソングライターおかゆ(撮影・小島史椰)

うだるような暑さとなった25年6月21日。“ギャルの聖地”渋谷109の店頭イベントスペースには、この日のためだけに自らデザインして作った衣装に身を包み、新曲「ジモンジトウ」を歌う“シンガー・ソングライター”おかゆ(34)がいた。この日、さまざまな思いが交錯し、目を潤ませた。それを紛らわすように明るく努める姿が印象的だった。このミニライブを“第2章の始まり”と位置付け目を潤ませた、その意味に迫った。【川田和博】

  ◇   ◇   ◇

スナックの“流し”活動が、母の憧れだった髙橋真梨子関係者の目にとまった。髙橋真梨子のバックバンド「ヘンリーバンド」のサックス奏者、野々田万照だ。野々田の誕生日に、ファンとしてSNSでお祝いメッセージを送ると「ありがとうございます。ところで、事務所に入ってる?」と返ってきた。

「岐阜の柳ケ瀬を回った時に、柳ケ瀬ブルースの歌碑の上であぐらをかいて柳ケ瀬ブルースを歌う動画をYouTubeにアップしたんです。それを見てくれて、『絶対誰かに言われてやっている。地べたに座って歌わされて、かわいそう』と思っていたらしいです。自分でやっていたんですけど(笑い)」

デュエット歌手を募集していた野々田だったが、おかゆにとっては憧れの存在。とにかく「会って話がしたい」一心だった。

「もう2時間くらいマシンガントーク。小さい頃から母が好きな髙橋真梨子さんの歌を聞いて育って、真梨子さんの歌に影響を受けて、オーディションも全部真梨子さんの歌を歌って、今ここまで来ましたと熱く語りました」

その結果、野々田と事務所を作り、野々田指導のもと曲も作り、ヘンリーバンドの演奏でCDも作った。

また、増位山大志郎さんのちゃんこ屋での流しに偶然、当時ビクターの社長や現在出演するTBSラジオの関係者が居合わせた。

「そこで私が髙橋真梨子さんの曲を歌ったら『うちの歌を歌ってくれてありがとう』と言われて。でも、よく分からなかったんです。そこで、『野々田万照さんと一緒に事務所をやることになって、もしよかったらライブを見に来てください』と皆さんに発信させてもらったんです」

ちょうどそのころテレビ東京「THEカラオケ★バトル」にも出演した。その影響もあり、野々田と作ったCDの発売キャンペーンには300人ものお客さんが集まった。そのキャンペーンで隣り合わせとなったのがビクターのアーティストだった。

「その時声をかけくれたのが今のディレクターさんで、『メジャーデビューはしないんですか?』と言われて。わざとインディーズでやっていると思われていました」

増位山さんのお店で流しをした際に宣伝したライブを、ビクター関係者は見ていた。「粗削りだけど『七転び八起き幸せに』は良い曲」という評価を受けていたのだった。

そんな縁もあり、憧れの髙橋真梨子が所属するビクターからメジャーデビューを果たすことになる。(つづく)

◆おかゆ 本名、坂本由佳(さかもと・ゆか)1991年(平3)6月21日、北海道生まれ。19年5月1日、「ヨコハマ・ヘンリー」でビクターからメジャーデビュー。23年5月、5枚目シングル「渋谷のマリア」が発売週のオリコン演歌・歌謡曲ウイークリーランキングで1位を獲得。また、第16回CDショップ大賞2024歌謡曲賞を受賞。167センチ。血液型A。

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