
水谷豊(73)が24日、東京・丸の内TOEIで行われた同館の閉館プロジェクト「さよなら丸の内TOEI」の一環として行われた、2008年(平20)の主演映画「相棒-劇場版-絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン」(和泉聖治監督)上映前舞台あいさつに、寺脇康文(63)とともに登壇した。トークの中で、寺脇が「相棒」新シーズンの開始を、思わずフライング? してしまう一幕もあり、客席は沸いた。
「相棒-劇場版-」は、テレビ朝日系ドラマ「相棒」の劇場版第1作で、テレビ朝日開局50周年記念映画作品として製作され、映画6作で最高の興行収入44億4000万円と大ヒット。杉下右京役の水谷と亀山薫役の寺脇がそろって同劇場の壇上へ立つのは、封切りから1カ月後の08年6月3日に、動員300万人を記録したことを記念して行われた凱旋(がいせん)舞台あいさつ以来17年ぶり。
右京と薫の役衣装に身を包んだ2人に、相棒の魅力は? と質問が出た。寺脇は「右京さんの魅力に尽きます」と即答。「豊さんに憧れて俳優になった。オーディションで劇団に入る時『あらららら~校長先生』と、豊さんのマネをやって受かりました」と、84年に三宅裕司主宰の劇団「スーパー・エキセントリック・シアター」に入団した際、78年の日本テレビ系ドラマ「熱中時代」で水谷が演じた北野広大のまねをしたと振り返った。さらに、08年の「相棒」シーズン7で降板しながら、22年10月期に放送のシーズン21で、約14年ぶりに“5代目相棒”として復帰したことを踏まえ「何から何まで、復帰させていただいたのも、全て豊さんのおかげです。人生を変えていただいた」と感謝した。
水谷は「お役に立てて良かった」と笑った上で「『相棒』はバディもの。それまでも、いろいろありましたけど、初めて仕事したのが『刑事貴族』」と、寺脇と91、92年に初共演した日本テレビ系ドラマの名を口にした。その上で「終わった時、康文に『何年かしたら、やろうね』と」と振り返った。すかさず、寺脇が「僕、正確に覚えています『7年くらいしたら、また一緒に何かやればいいじゃない』と言って別れて『相棒』が始まったの、7年後なんですよ」と補足した。
会場内に客席に拍手が響き渡る中、水谷は「2人でバディものをやろうと思った時、2人の中にイメージがあった。その時の脚本が素晴らしかった。演出、キャスト、スタッフが皆、そろった中で2人が『相棒で』始まった」と感慨深げに振り返った。寺脇も「豊さんは『誰とやるか、何をやるかが大事』とおっしゃる。その2つがビシッとそろった始まり」と続くと、水谷は「こういうことが我々には起きた」とうなずいた。
寺脇は「まさか今、これ着ていると思っていないですもん」と、薫のトレードマークのフライングジャケットをひるがえした。そして「まずは髪の毛、立つかなと…。散髪してきたら、スパンと立っております!」と胸を張った後、「今は長いけど、もうすぐ、切るから」と続けると、水谷は「そんなこと言っちゃうと、やるみたいなことになっちゃう」と突っ込んだ。拍手が巻き起こる中、寺脇は「えぇと…どうなんですかね?」ととぼけつつ「楽しみにしたいと思います!」と笑い飛ばし、客席を沸かせた。
◆「相棒-劇場版-絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン 」謎の連続殺人事件が発生。その現場には、不可解な記号が残されていた。警察組織をあざ笑うかのような、犯人からの予測不能な連続爆破予告。杉下右京(水谷豊)の推理と亀山薫役(寺脇康文)の行動力で犯人の狙いが「東京ビッグシティマラソン」だと判明したが、仕掛けられたわなは右京の推理を上回る巧妙さだった。右京たちは3万人のランナーと15万人の観客を救えるのか?