
女優鈴木唯(12)が13日、都内で、主演映画「ルノワール」(早川千絵監督)のティーチイン上映会に出席した。
同作は、日本がバブル経済の真っただ中にあった1980年代後半の夏を舞台に、闘病中の父と仕事に追われる母と暮らす11歳の少女の物語。
イベントでは15人の小中高生がティーチインに参加し、映画の感想や疑問に思ったことなどを鈴木や早川監督にぶつけた。
演技の切り替えについて聞かれた鈴木は「カチンコの音で切り替わる。カチンコの音がスイッチになっていた」とし、「切り替えは簡単」と大物ぶりをうかがわせた。
その一方で、あるシーンでは「実はどう演じているのかよく分かっていない」という。「自分の中に(演じる)フキちゃんを作って、そのフキちゃんが演じていたので、私もその心情が分からない」とする場面もあった。
またイベントの進行が押し、「時間、大丈夫ですか?」と心配する配慮もみせた。
タイトルについて「なぜルノワールなのか?」と質問されると、早川監督は「よく聞かれる」と言い「展覧会で見ていた絵の画家の名前なんですが、あまり意味の説明がつかないようなものをタイトルにしたいと思った」と答えた。「言葉で説明できない子どもの感情を表すために、関連がないものにしたかった」と説明した。
「なんでエピソードが短いの?」という質問には、早川監督が「何かが起こって、その先どうなるかを意外と描いていない。そこを想像してもらいたかった」と解説。「日常でも分からないことがあるので、映画でもそれを描きたかった。想像力を使って生きているので、映画でも想像してもらいたかった」と趣旨を説明した。「もっと見たかったですか?」と逆質問して「はい」と答えられると、「そうですよね…」と思わず苦笑いを浮かべた。
最後に鈴木は「いつもと違った角度から質問が来て楽しかったです」と述べた。