
女優でモデルの堀田茜(32)が、東海テレビ・フジテレビ系連続ドラマ「浅草ラスボスおばあちゃん」(土曜午後11時40分)に出演している。梅沢富美男(74)演じる型破りで自由奔放なおばあちゃんに翻弄(ほんろう)される、真面目な区役所職員役。同作の魅力や、役を通して感じ取った素直な思いを明かした。
堀田演じる森野礼は自然に笑うことが苦手。過剰にルールにこだわる性格で周りとうまくなじめずにいる。「私自身初めて演じるキャラクターだと気付きました。今までバラエティーとかモデルのお仕事などで無意識に口角を上げる癖がついちゃっていたんです」と新たな挑戦となっている。
明るく優しげな笑顔が印象的な堀田自身とは、異なるキャラクターに思えるが、意外にも同役に「共感するところもある」という。
「年々人とコミュニケーションを取るのが苦手になってきたり、ルールがあった方が生きやすいって思うところもあったりします」と明かした。昨年4月に一般男性との結婚を発表。「家族ができて、お互い話し合ってルールを作っていく作業があったりして。『私ってルール好きだよな』と思ってたところでした」。
同作では東京・浅草を舞台に、松子が便利屋「ラスボスおばあちゃん」を始める。さらに、ひょんなことから若者たちとシェアハウスで暮らすことになり…。完全オリジナル脚本の、人情味あふれるヒューマンドラマとなっている。
「まず、梅沢さんがおばあちゃん役を演じるとお聞きしてすごく興味がそそられました。梅沢さんは本当に優しくて、現場でもいろんなエピソードトークで和ませてくださいました」と感謝。松子同様に“粋”な梅沢の振る舞いに学ぶところが多いという。
「浅草花やしきで撮影しているとき、近くに以前お仕事でお世話になった飲食店があるということで『撮影の合間にあいさつしにいってくるわ』と。コミュニケーションを怠らない姿勢がすごく勉強になります」とした。さらに「どら焼きを差入れしてくださって、花やしきのアトラクションを見ながら食べたのがすごくおいしくて」と〓(順の川が峡の旧字体のツクリ)を緩ませた。
ドラマの見どころは「松子おばあちゃんの血の通った言葉」だという。例えば1話に「ばばあだって、初めてばばあをやってんだ」という松子の言葉がある。
「純粋に自分自身にも刺さるセリフでした。高齢者だからとか、女だから男だからとかカテゴライズせずに、ちゃんとその人として見るのは結構難しいことだと思うんです。それでも大事なことなんだと改めて思いました」と力を込めた。
今後の人生で、どのような“おばあちゃん”になっていきたいか聞くと「肝っ玉母ちゃんみたいな、松子おばあちゃんみたいな感じになりたいんですけど…。たぶん性格的にもそういう感じではなさそう」とおちゃめに笑った。
そのうえで「自分が通ってきた悩みに年下の子がぶち当たっているのを見ると、救いたくなります。過去に浸るんじゃなく、若い世代に経験を話して導けるようなお年寄りになりたい」と優しくほほ笑んだ。
今作を通して芽生えた思いがある。「コミカルなお芝居をやらせていただく中で“笑い”を作るのって本当に難しいことなんだと感じましたし、もっと極めていきたいと思いました」と意気込む。
日テレ系「世界の果てまでイッテQ!」をはじめ、バラエティー番組で活躍する姿もお茶の間に浸透している。「バラエティーに10年くらい出させていただいていることもあって、お笑いが大好き」とにっこり。「そういった経験を強みにしたお芝居もできるようになっていきたいと改めて思いました」と、新境地に意欲を見せた。【玉利朱音】
◆堀田茜(ほった・あかね)1992年(平4)10月26日、東京都生まれ。13年11月から20年10月まで女性ファッション誌「CanCam」専属モデルを務めた。15年から日本テレビ系バラエティー番組「世界の果てまでイッテQ!」に出演。テレ東系ドラマ「私と夫と夫の彼氏」(23年)、「好きなオトコと別れたい」(24年)、映画「ダウト~嘘つきオトコは誰?~」(19年)などで主演。血液型B。