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「ガーディアンズ-」のジェームズ・ガン監督が仕切り直した「スーパーマン」が面白い


(C)&TM DC (C) 2025 WBEI

ジェームズ・ガン監督と言えば、ウルトラマンとバルタン星人とともに写った満面笑みを思い出す。11年前の東京国際映画祭でのひと幕だ。当時「3、4歳の頃『ウルトラマン』に夢中でした。ベビーシッター代わりだったんです」と明かしている。

DCコミックスの「顔」がこのガン監督によって仕切り直される。11日公開の「スーパーマン」だ。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズにおける独特のキャラ造形を思えば、期待は大きかった。結論を言えば文句なく楽しかった。約2時間とは思えない密度の濃さを堪能した。11年前の光景を思い出したのは、随所に「ウルトラマン」への思いも込められていたからだ。

デイリー・プラネット新聞社におけるクラーク・ケント(スーパーマン)とロイス・レインの恋人関係、優しい両親…基本情報が早送りのように紹介される。序盤からテンポが速い。

北極の秘密基地の描写には新味がある。正義の戦いの負傷を修復するロボットたち、そしてスーパードッグ、クリプトの登場。日本好きのガン監督が大谷とデコピンの関係性を投影しているように見える。

敵役レックス・ルーサーはかなり手ごわい。彼が操る謎の怪人の名はなんとウルトラマン。スーパーマンと互角のパワーを持つ。つまり同郷のクリプトン星人以外はものともしない強すぎるはずのヒーローが傷だらけになり、血まみれになるところもミソになっている。

ルーサー側は円谷プロ製作のような巨大怪獣まで登場させてスーパーマンを追い詰める。グリーン・ランタンやミスター・テリフィック、ホークガールというジャスティス・ギャングがスーパーマンに加勢。ようやく均衡を得る。それがこの作品のパワーバランスになっている。

主演のデイビッド・コレンスウエットは弁護士一家の出で、クラーク・ケントとしての仮の姿、スーツ姿が様になる。レイン役はテレビドラマで経験を重ねたレイチェル・ブロスナハンで、メインキャストの知名度はいまひとつだが、原作イメージに寄せて手堅い布陣だ。敵役ルーサーのニコラス・ホルトは「マッドマックス 怒りのデスロード」を思い出すとんがりぶりがいい。

ルーサー側が大量に放つフェイクニュースが「正義」をあやふやにし、「スーパーマンは害悪」を世間に印象づける。まるでトランプ戦略を映すようだ。トランプ嫌いのガン監督が、ロシアや取り巻きの大富豪をまとめて揶揄(やゆ)するシニカルな描写も面白い。

詳述は避けるが、終盤に向けてさまざまな仕掛けが配されて、次作以降に期待が膨らんだ。【相原斎】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「映画な生活」)

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