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モデルで女優の松本麗世(れいよ、17)が、注目を浴びている。23年にテレビ朝日系「仮面ライダーガッチャード」に出演すると、今年4月期の日本テレビ系土曜ドラマ「なんで私が神説教」ではクラスの中心人物の小早川麻衣役を好演。人気ファッション雑誌のモデルとして若い世代を中心に絶大な人気を誇る期待の新星が、女優として活躍する夢を熱く語った。【取材・構成=野見山拓樹】
★「愛」込めて演じた
女優として大きく成長した作品となった。「神説教」は女優デビュー作の「仮面ライダーガッチャード」以来2作目の連続ドラマ出演。1つの役に1年間向き合えた前作に対し、同作は3カ月と期間が短かったことに触れ、「仮面ライダーの田﨑(竜太)監督から『これからは3カ月で役に愛を込めないといけないよ』というお話をいただいていて、『神説教』では1年分の愛を3カ月に込めて役と向き合えたので、すごく勉強になりました」と充実の表情を見せた。
「愛」を込めて演じきった。松本が演じた小早川麻衣は、クラスの中心グループの1人であり、母親が保護者会の会長を務めるなど、大きな問題に巻き込まれる役どころ。「麻衣ちゃんの気持ちに寄り添って気持ちを理解したり、立ち振る舞いを考えてみたり、どう過ごすのが麻衣ちゃんらしいのかな? と考えれば考えるほど役を愛せると思った」と役作りを振り返り、「お芝居の楽しさも深まったし、感情をより豊かにできて、人として新しい考え方を見つけられました」と笑顔で語った。
★憧れの先輩に感激
現場では自身が最年少だったが、「クラスの中心にいる女子グループなので、普段から仲が深まっていた方がお芝居がしやすい。私が一番下だからこそぐいっと入らないと仲がいいグループ感が出ないと思ったので、ぐいぐい話しかけに行きました」と、コミュニケーション能力の高さを生かして先輩キャストと会話を重ねた。
松本が現在専属モデルを務めているファッション雑誌「Seventeen」の先輩で、担任役の広瀬アリス(30)とも会話を重ね、現場での立ち振る舞いや演技を熱心に観察するなど、多くを学んだ。
さらに「生徒役の人数が多いと1人1人と話ができない中、全員に置き手紙を残してくださって、『撮影頑張ろうね』や『何が食べたい?』って励ましてくださいました。紙でもコミュニケーションを取っていただいて、本当にすてきな方でした」と憧れの先輩の姿勢に感激していた。
自身も高校3年生。学園ドラマで演じやすさもあったとしつつ「JKと言われる方々の流行の言葉を使う方ではなかった」といい、「口癖として高校生らしい言葉を使えるように、YouTubeやTikTokで調べました」と、クラスの1軍女子としての言葉遣いを徹底的に勉強した。
実際に「『墓コス(墓まで持って行きたいほどお気に入りのコスメ)』とか『てえてえ(尊い)』とかが結構はやっているので、参考にしました」とJK用語を披露しつつも、「ぱっと頭に『てえてえ』が浮かぶことは日常でもあるけど、松本麗世としてJKの言葉を使うのにちょっと抵抗があるので…」と照れ笑いを浮かべた。
★鹿児島での幼少期
松本は鹿児島県出身。明るい笑顔と上品な雰囲気が印象的だが、「兄がいた影響もあって、子どものころは鹿児島でサッカーとか野球とか戦いごっことかしていました。学校ではみんなを集めて鬼ごっこをしていました」とアクティブに幼少期を過ごした。
さらに「兄との戦いごっこは仮面ライダーのベルトを着けて、ちょっとハンディをもらって戦っていました」。と“仮面ライダーっ子”だったと明かし、23年に「仮面ライダーガッチャード」への出演が決まった際は「子どものころから見ていた作品だったので、とんでもなくうれしかったです」と振り返った。
活発に遊ぶ小学生だった一方で「キラキラした笑顔でかわいいお洋服を着ているモデルさんが憧れだった」と芸能界へ憧れを抱いていたといい、小学5年生だった18年に、オーディションをへて人気ファッション雑誌「ニコ☆プチ」専属モデルとなった。当初は鹿児島を拠点にモデル活動をしていたが、コロナ禍でドラマや映画に多く触れたことで「ドラマの言葉で救われることが多かったので、私も自分の言葉で誰かの心に寄り添ったり心を打つような作品に出たい」と女優を志すようにもなった。
★新たな出演作決定
仮面ライダーへの出演が決まったことで上京を決意。「キャリーケースを持って渋谷に着いた時は人が多すぎて人酔いしましたね」と笑いつつ、続けた。
「同じ日本だし、言語が伝わるので生きていけるかなって感じでした(笑い)。鹿児島のことは今でも大好きで、すごく愛していますけど、自分の夢に向かって走るために東京に行くんだし、帰りたいときは帰ればいいと思って、決まった瞬間に『行きます』って言いました」と回想した。
東京での生活にはすぐに適応したといい、「来たばかりのころはショッピングモールとかによく行っていましたけど、今はネットという技を見つけてしまいました」と笑った。
上京後は「Seventeen」の専属モデルとしてモデル活動も続け、仮面ライダーや「神説教」をきっかけに女優としても注目を浴びるようになった。すでに新たなドラマへの出演も決まっている。
「何にでもなりきれる女優さんになりたいです。今回は『神説教』で生徒役だったので、いつか先生役ができるようにもなりたいですし、アニメが好きなのでアニメの実写作品にも出てみたい。ダンスが得意なので、体を動かすアクションだったり、得意なことや好きなことを生かせる役にも挑戦したいです」と女優としての夢を掲げた。
アピールポイントを尋ねると「根性です」とファイティングポーズ。持ち前の明るさとガッツを武器に、新たな風を巻き起こす。
◆松本麗世(まつもと・れいよ) 2008年(平20)2月29日生まれ、鹿児島県出身。18年にファッション雑誌「ニコ☆プチ」専属モデルになり、23年に「仮面ライダーガッチャード」で女優デビュー。同年からファッション雑誌「Seventeen」専属モデル。特技はダンス。身長165センチ。