
放送プロデューサーのデーブ・スペクターが、フジ・メディア・ホールディングスの株主総会を斬った。フジ側の取締役候補全11人が選任され「会社、企業ガバナンスとしては勝利」とした一方で「これからが正念場」と指摘した。
都議選で惨敗した石丸伸二さんの政党とは違い、企業としてのフジテレビの「再生の道」は見えた感じですね。ただ、企業としての建前、ガバナンスが最優先で、テレビ局の役割を忘れている。ヒット番組がないんです。中居正広氏の一連の問題が、フジがダメになった要因みたいに言う人もいるけれど、10年くらい前から低迷していました。
「笑っていいとも!」「めちゃ×2イケてるッ!」などの人気番組が相次いで終わったことが大きかった。それに続く人気番組がなく、制作人材がほとんどいない。地上波が15年に地デジに移行した際、8チャンネルにこだわり、リモコン、番組表で末尾になったことも大きかった。
ヒット番組の楽しさが、全体の空気を作るもの。だからこそ、社員はもちろん子会社、関連会社、外部の制作会社まで含め、採用されたらボーナスを払うような面白い企画の募集でもやって欲しい。大多亮さんが社長を引責辞任したカンテレも、関西の局だから面白く勢いがある。コラボして番組を作ってもいいと思う。5月に清水賢治社長が、退任したかつてのトップ・日枝久さんが打ち出したスローガン「楽しくなければテレビじゃない」から脱却すると宣言したことが信じられなかった。トランプ米大統領でさえ言わないくらい、センスのない失言。撤回を再撤回しないと番組作りは改善しないと思います。