
米俳優ケビン・コスナー(70)が監督・主演を務める西部劇映画「Horizon: An American Saga Chapter 2」の撮影現場で、台本にない性的暴行シーンの演技を強いられたとして、コスナーと製作会社を訴えていたスタントパフォーマーのデヴィン・ラベラさんが、新たな証拠を裁判所に提出したと米Usウィークリー誌が報じた。
ラベラさんは5月2日、女優エラ・ハントのスタントダブルとして基本的なシーンを演じる予定だったが、事前説明のないままレイプシーンを演じるよう求められたと主張。契約上義務付けられているインティマシー・コーディネーターと呼ばれる性的描写のあるシーンを演じる際、俳優の心身の安全をサポートする専門スタッフが不在のまま撮影が行われたといい、それについて話し合いを求めるテキストメッセージのやり取りを新たな証拠に加えたと伝えている。
ラベラさんがインティマシー・コーディネーターに送ったメッセージには、「昨日の忌まわしできごとについて、機会があれば話し合いたい。本当にひどい立場に置かれ、それが私に大きな影響を与えた」とつづられている。また、別のメッセーでは、「なぜ、インティマシー・コーディネーターがいなかったのか?」「誰がこの権力の乱用の責任を取るのか?」などと質問を羅列するやりとりもあった。
ラベラさんによると、相手役の俳優ロジャー・イヴェンスがスカートを乱暴にめくり、体と腕を使って無理やり押し付けてきたといい、コスナーは起こっていること全てに関与していたか、完全に知っていたと述べている。
一方、コスナーの弁護士は「まったく根拠がない」と述べて、主張を全面否定。ラベラさんはエンターテインメント業界の人々を繰り返し告発していると述べ、非難している。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)