
二宮和也(41)が42歳の誕生日の17日に初の新書「独断と偏見」(集英社新書)を刊行する。付き合いが長い担当編集者の取材を受けた言葉をまとめた書の中で「いま、いちばん会ってみたい人は?」と聞かれ、19年に死去した前所属事務所社長のジャニー喜多川氏と即答。同氏の一連の性加害問題を受け、23年10月に独立したことを踏まえ「自分が大事にしていた事務所、居場所を奪った」「誠心誠意をこめて謝ってもらいたい」と続けた。活動再開を発表した嵐への思いも語った。刊行にあたり取材会を開き、真意を話した。【取材・構成=村上幸将】
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第十章「二宮和也」では、5月6日に来春のコンサートツアーに向けて再始動し、終了をもって活動を終えると発表した、嵐について言及している。取材会の質疑応答で、嵐の活動再開を受けて、アイドルの概念は? との質問も出た。二宮は「こうあるべきと思っているのは、ちゃんと対相手方に対しての欲求を考える。かゆいところに手が届く存在でありたいと思っていました」と口にした。その上で「エンタメ人として最新、最先端のものを融合してきて、また新たな可能性を、という例はありますけど、今、こういった時期に何を聴きたいか? とか最新の曲でないんじゃないか、往年のヒット曲じゃないか、ちゃんと分かってあげて、かなえてあげられるのがアイドルじゃないかと思っています」と続けた。
国民的なアイドルになることに、必要なことにも言及した。「自分たちのことを支持してくれるコミュニティーの人が喜ぶことを第一にやり、満たされていけば、一般的にお茶の間と言われる方の元に、ようやくたどり着ける。誠実に応援してくださっている方は何が望み、見たいのか、何が聴きたくないのか…と言うのを考え、かなえていくのが一番重要かなと思っていますし」。
そのうえで、嵐に関して「応援してくださる方々の、お父さま、お母さまが両手放しまで行かなくても安心、安全だし、応援している子供が楽しそうにできるものを提供できていたらいいと、常に思っている」と言及。「挑戦、冒険しつつも安心、安全に必要なものも、同時に必要なのかな、というのが僕のアイドルの概念」と丁寧に語った。