
テレビ朝日系「徹子の部屋」(月~金曜午後1時)が5日、放送された。3日に亡くなった巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さんをしのぶ追悼企画で、長嶋さんが自身の“伝説”について語った。
番組が放送したのは、03年に当時66歳の長嶋さんが出演した回。長嶋さんは野球との向き合い方について「命がけで技術を追求しなければならない。プロである以上は」とする一方、「そればかりでは勝負のバランスでは難しい。ある程度したらパッと捨てきるというか、無にするというか。そういうものも大事」とこだわりを持ちすぎないことの大事さを説いた。
長嶋さんの切り替えの良さを踏まえ、司会の黒柳徹子から「そういうの(こだわり)がないから、一茂さんをどっかに置いてきちゃったっていうのは?」と逸話の真偽について聞かれると、長嶋さんは「うん。一茂がまだ幼稚園前でしたかね。昔の後楽園球場ね。野球にちょっと興味を持ったから連れて行ったんです」と振り返った。
自身は選手として出場していたが「その時は4-0でね、三振2つしたのかな。おまけに守備でトンネルしましてね。最悪の状態だった」と振るわなかったことに苦笑い。「自分としては最悪のゲームをしてしまったんです。お客さんに対して申し訳ないと。自分のバランスが全くどうしようもない。怒り狂った状態で。カッカしながらね、一茂をちょっと忘れてきちゃった」と冷静になれず、つい一茂を球場に置き去りにしてしまったと明かした。
黒柳から「おうちにお帰りになってドアを開けたら、奥さまが『一茂は?』って」と確認されると、「それでハッと気が付きましてね。チームにもマネジャーがおりますしね。ちゃんとフォローしていて、うちに連れてきてもらいましたけど」と長嶋さん。「もう野球のことだけですよね、頭に」と申し訳なさそうに当時のことを語った。