
高橋一生(44)が12日、都内で行われた主演映画「岸辺露伴は動かない 懺悔室」(渡辺一貴監督、23日公開)ジャパンプレミアで、原作者の荒木飛呂彦氏から、サプライズで手紙と描き下ろしのイラストを贈られ「知らなかった…ひや~」と驚き、叫んだ。20年のNHKドラマから5年、共演し、手を携えて実写版を作ってきた妻の飯豊まりえ(27)も目を潤ませた。
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荒木氏の手紙を朗読する高橋の声に、ひときわ力がこもった。
「旅情豊かで、人生があって、香り高い宝石のような第1級のサスペンス作品。私たちの目指すところはそこだからです」
高橋は「飛呂彦さんの『私たち』の中に、僕らが入っているかも知れないと思うと、身が引き締まる思い」と口にした。人の頭部を本にして思考や秘密、人生を読め、指示を書き込み操ることができる特殊能力「ヘブンズ・ドアー」を駆使する、高橋演じる漫画家・岸辺露伴付きの編集者・泉京香を演じた飯豊の目には涙が浮かび、光っていた。
さらに、荒木氏から描き下ろしのイラストが贈られると、いつもは冷静な高橋も「うわぁ…すごい。これは、すぐに僕、持って帰りたい」と大興奮。凝視すると「これは、今回の映画に、しっかり寄せてくださって作画したのが伝わってくる」と続けた。
「-懺悔室」は原作の最初の作品で、ファンの間で屈指の人気を誇る伝説的なエピソード。邦画で初めてイタリア・ベネチアで全編ロケを約1カ月にわたって敢行。荒木氏のイラストは、ベネチアの運河を航行するゴンドラに乗った岸辺露伴を描いていた。高橋は「僕も、ゴンドラ乗ったもんな」と感慨深げに語った。そして「映画に文章を寄せてくれるのが1つの結実点。しっかりと応える強度がある作品になったはず。作品と原作が合致していく場所、瞬間を分かち合えたことが夢のよう」と実写版が1つの到達点に至ったことを自認した。
この日は戸次重幸(51)と井浦新(50)も登壇した。【村上幸将】