
映画字幕翻訳家の戸田奈津子さん(88)が10日放送のTBS系「情報7daysニュースキャスター」(土曜午後10時)にVTR出演。自身を「日本の母」と慕う米俳優トム・クルーズ(62)の心遣いのエピソードを披露した。
番組ではクルーズが7日に出席した主演映画「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」(クリストファー・マッカリー監督、23日公開)来日記者会見で、サプライズで自ら「トダさん」と客席にいた戸田さんに呼びかけ、感謝を伝えた様子を紹介。30年来の交流があることも伝えた。
直撃インタビューを受けた戸田さんは、クルーズについて「いろんなお友達がいますけど、あれだけ優しさがある方は本当に珍しいですね。大切なお友達の1人ですね」と語ると、「彼は『ファンあっての自分』っていつも言っているから、(サインなどのファンサービスを)1人1人にあんな丁寧に、彼ほど長く、最後の1人までやる方はいない。(スタッフに)自分から言っているから。『最後までやるから、時間を確保して』って」と、ファンへの姿勢を称賛した。
スタッフへの対応も紹介。「日本に来るといろんな会場をまわるでしょ。いろいろな人がぞろぞろとついて歩くじゃないですか。エレベーターにも乗りますよね。大抵のスターは、自分がスターだから、真っ先に乗って、一番奥に行って、他の人が乗るのを待つの。10人中10人がそう。トムだけは、まずドアを押さえるの。で、みんなが乗るのを待ってから、自分がドア側に乗るの。その心遣いは彼だけです」と断言した。
戸田さん自身が驚いたクルーズからの贈り物も紹介。「バスケットにいろんな、ハムや何かが詰まっているあれね。(日本の)デパート経由で贈ってきたの。『御歳暮』って“のし”があって、『トム・クルーズ』って書いてありました。私もびっくりしました。ウソか? と目を疑いましたよ」と笑って振り返り、カタカナで「トム・クルーズ」と書かれた“のし”がイラストで再現された。
今年の春の叙勲で、戸田さんが旭日小綬章を受章した際も、お祝いがあったという。「叙勲とかもらっちゃって、それを誰かが彼に言ったもんですから、来日する前に、すごいお花が来ましたね。地面に置くほかない、っていうくらい大きな、開店祝いじゃないんだから、って思いますよ」と笑いながら感謝。さらに来日イベントで会話した際は「雨が降っていたでしょ、下がぬれていたの。『滑るから気を付けなさいよ』ってささやいてくれたんです」と気遣われたことを振り返り「日本の男性は、そういう意味では心遣いがないから、日本の男は絶対にしないことを彼はしてくださる」と冗談ぽく、クルーズの心遣いを明かした。