
SUPER EIGHT丸山隆平(41)が24日、都内で行われた8年ぶりの主演映画「金子差入店」(5月168日公開)ジャパンプレミアで、古川豪監督から、芝居をやりたいあまり、酒場でエチュードまで披露するほど俳優業を熱望していたと明かされた。
「金子差入店」は、厳しい審査や検閲がある差入のルールを熟知し、刑務所や拘置所に収容された人への差入を代行する差入屋を描く。古川監督が、オリジナル脚本も手がけた。さまざまな事情から面会に行くことができない人たちに代わって、面会室へ出向くこともある仕事を営む家族の絆と、彼らが巻き込まれる不可解な事件を描く。丸山は、差入店の店主を務める金子真司を演じた。
古川監督は、丸山を起用した理由を聞かれ「ひょんなプライベートの出会いがあった」と振り返った。当時は「グループで最後に大オチ、ボケをかますイメージがあった」という印象だったが、丸山は「メッチャ、芝居やりたいですわ」と言い「その場の素人さんとエチュード芝居していた。すごいなと思って」と、丸山が出会った場で芝居したと明かした。その後、1、2年たって、今回の企画が本格化してから、声をかけたという。
丸山は「ウソじゃないですか?」と照れたが「そうです。お芝居欲が半端なくて…」と認めた。「でも、役に出会うことがなく、酒場で勝手に始めた時に見てもらった」とエチュード芝居を見せた当時のことを明かした。古川監督から「ぶっちゃけ、ベロベロに酔っぱらっていた」と突っ込まれると、笑った。
17年の映画「泥棒役者」以来8年ぶりの主演について聞かれると「(古川監督が)17年間、構想し、練られた役を任せていただけるのは光栄」と口にした。その上で「仕事(差入店)は知らなかったので、カルチャーショック。善悪が決められない世の中にいるなと思い。ぜひとも…と。どこまで掘り下げ、監督の描いているものを描けるか、プレッシャーがあった」と振り返った。
丸山が演じた真司の妻美和子を演じた真木よう子(42)は、18年のテレビ東京系主演ドラマ「よつば銀行 原島浩美がモノ申す! ~この女に賭けろ~」で初共演して以来の共演となった。「1回、共演させていただき、丸ちゃんは大好きな友達になったけど、現場では見たことのない顔になって、1周回って、真木よう子に戻った。入っている丸ちゃん、見るのは初めて」と丸山の役作りを称賛した。丸山は「既婚者じゃないので分からないので、監督と会話をしながらエッセンスとして参考にさせてもらった」と、夫の役作りについて語った。
丸山は。演じた真司のおじ星田辰夫を演じた寺尾聰(77)から「役者人生、これから頑張っていこうと思える言葉をいただいた」と明かした。寺尾から「これからも俳優、頑張って欲しい」とエールを送られると「うれしい」と喜んだ。
この日は、息子和真役の三浦綺羅(12)、毎日のように拘置所を訪れる女子高生・二ノ宮佐知役の川口真奈(17)、真司の母容子役の名取裕子(67)も登壇した。
◆「金子差入店」 金子真司(丸山隆平)は妻の美和子(真木よう子)と差入店を営んでいる。伯父の星田辰夫(寺尾聰)から引き継いだ住居兼店舗で、引退した星田と10歳になる息子の和真(三浦綺羅)と一緒に暮らしていた。ある日、和真の幼馴染の花梨が何の関係もない男・小島高史(北村匠海)に殺害され、一家が花梨の死から立ち直れないでいた時、犯人の小島の母こず江(根岸季衣)から差入の代行と手紙の代読を依頼される。金子は差入屋としての仕事を淡々とこなそうとするが、常軌を逸した小島の応対に感情を激しく揺さぶられる。さらに、話し相手が必要だと思うと再度の差入を頼まれた金子は、小島と話せば話すほど「なぜ、何のために殺したのか」という疑問と怒りに身を焼かれる。そんな時、毎日のように拘置所を訪れる女子高生・二ノ宮佐知(川口真奈)と出会う。彼女はなぜか自分の母親を殺した男との面会を強く求めていた。2つの事件と向き合ううちに、金子の過去が周囲に露となり、家族の絆を揺るがしていく。