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24年度向田邦子賞は「マイダイアリー」脚本の兵藤るり氏最年少受賞「今日だけは胸を張ろうと」


第43回向田邦子賞が発表され、兵藤るり氏が史上最年少で受賞しました。彼女の脚本「マイダイアリー」は、社会人1年目の主人公が仲間との関係を描くヒーリングドラマ。選考委員の岡田恵和氏は、作品を満場一致で受賞作品としたと紹介しました。兵藤氏はお茶の水女子大学を中退後、東京芸術大学大学院で脚本を学び、2020年にデビューした新星。彼女は、少子化などの現代社会の問題に抗う作品を作り続けたいと語りました。特製万年筆と賞金150万円の受賞により、今後の創作活動にますますの期待が寄せられています。

「第43回向田邦子賞」を受賞した兵藤るり氏(左から3人目)と選考委員ら(撮影・松尾幸之介)

優れたテレビドラマの脚本作家を表彰する「第43回向田邦子賞」の受賞者が23日、発表され、昨年10月期にテレビ朝日系で放送された連続ドラマ「マイダイアリー」の兵藤るり氏(28)に決まった。4作のノミネート作の中から選ばれ、史上最年少受賞となる。

兵藤氏は「輝かしい賞をいただけて光栄です。もっと実績のある方がもらうべきだろうとか、こんな若造がと思う方はたくさんいらっしゃると思うんですけど、先ほど連絡をいただいて今日だけは胸を張ろうと思ってここに来ました」と切り出し「というのも、この賞は自分のためではなく、放送終了後とかに自分のSNSをわざわざ見つけてくださった方と、信じて演じきってくださった演者のみなさん、その全員に対して、目は間違っていなかったと証明するためにあるんだと思ったからです。昨今、少子化といいつつも理不尽な世の中になってきていまして、そこに抗うような作品になっていきたいと思います。生きることがつらい人が明日からは生きてみてもいいかもしれないと思うような作品をこれからも作っていきたいと思います」とあいさつした。

「マイダイアリー」は主演の清原果耶演じる社会人1年目の主人公が大学時代などの思い出に思いをはせ、仲間とのつながりなどを描くヒーリングドラマ。選考委員で第20回受賞者の岡田恵和氏は「満場一致でした。非常に書き込まれた、日常を鋭い角度で描かれていて、受賞にふさわしいのではないかということで今日お越しいただきました」と語った。

兵藤さんはお茶の水女子大理学部数学科を中退し、東京芸大大学院映像研究家映画専攻脚本領域へ進学。2020年に脚本家デビューしたばかりの新星だ。浪人中にこの日も共に登壇した選考委員の坂元裕二氏の「Mother」の脚本を目にしたことなどをきっかけに同氏が教壇に立つ東京芸大受験を目指したいきさつもあり、“恩師”でもある坂元氏について質問が飛ぶと「私は弟子だとはあまり思っていないです。おこがましいなという意味で、なんですけど」と笑いも誘った。

お茶の水大を中退したのは4年へ進学時に教授から留年宣告を受けたからだったとも明かし「本当は大学院までいって、銀行や保険会社などへの就職を考えていました。それまではいわゆる敷かれたレールの上をというか、わりと優等生な感じでやっていたのでそれがいきなりうまくいかなくなった時に、今、一番学んでみたいことである脚本の道にと、焦りと勢いでこのようなことになってしまいました。あの時はどうかしていたというか…」と再び笑いを誘いつつ振り返った。

坂元氏は兵藤さんについて「入試の段階で今と変わらず才能ある方で、僕は何も教えておりません。特別扱いしたこともございませんし、ご自身で努力してきたわけですから、単純に1人の作家として素晴らしい方だと思っております」と語った。「マイダイアリー」については「決して派手な作品ではないですが、脚本を読んで選考委員のみなさんと話していて、あのシーンどうだったよねとか、話がどんどん進んで楽しかった。それこそテレビドラマの本質、役割なんじゃないのだろうかと気づいたひとときでした。向田邦子賞というテレビドラマの脚本賞にふさわしい作品だと思います。おめでとうございます」と祝福した。

兵藤さんは「この向田邦子賞を受賞した責任は感じていますし、そこに誠実に向き合いながらこれからも作品をつくっていきたいと思います」と意気込んだ。本賞として特製万年筆と副賞として賞金150万円が贈られる。

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