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27年大河見どころ、勝海舟のライバル関係と近代化への貢献「大きな教訓になるのでは」制作P


2027年のNHK大河ドラマ「逆賊の幕臣」の制作と主演が発表され、松坂桃李が小栗上野介忠順を演じることが決まりました。小栗は幕末の重要人物で、日本の近代化に貢献したものの、明治政府により歴史から抹消された人物です。制作統括の勝田夏子氏は、この作品を通じて不当な汚名を受けた小栗の姿を描き、現代の変革期に通じる教訓を伝えたいと語りました。また、外国人との交渉術や勝海舟とのライバル関係が見所とされ、松坂の演技力と信頼感が高く評価されています。

2027年NHK大河ドラマ「逆賊の幕臣」制作・主演発表会見であいさつする制作統括の勝田夏子氏(撮影・垰建太)

NHKで3日、27年大河ドラマの制作・主演発表会見が行われ、俳優の松坂桃李(36)が主演を務めることが発表された。タイトルは「逆賊の幕臣」。勝海舟のライバルと言われた幕臣・小栗上野介忠順(おぐりこうずけのすけただまさ)を演じる。勝田夏子政策統括が、見どころや題材を決定した背景について語った。

小栗は日本の近代化に大きく貢献した人物で、1860年(万延元)に渡米後、軍政改革や造船所の建設などさまざまな改革を推進したが、功績とは裏腹に一般的には知名度は低い。

勝田氏は「小栗さんほどの人が後世に名前が残っていないことの理由が、逆賊として明治維新政府に歴史の闇に葬られたことに尽きると思う。逆賊という汚名とともに葬られたある種、理不尽さを逆説的に表現したいと思いました」と作品のイメージを語った。

松坂の起用については演技力と人柄を絶賛。「梅ちゃん先生」「軍師官兵衛」など3作品をともにしており「各作品の狙いとか的確に捉えてくださる」と作品の理解度と信頼感から起用に至った。

幕末をテーマとするのは、価値観の変化、災害やテロなど脅威と接する現代社会と通じる物があると感じたことが背景の1つ。「我々は時代の変わり目に遭遇していると思う。同じような時代を生きていた小栗さんの姿を振り返ることで我々にとって大きな教訓になるんじゃないかな」とし「(松坂は)そうしたことも深く理解してくださっていてご一緒するのが心強い方。公を預かっている人はこうあって欲しいという品格みたいな物、絶対悪い人じゃないなという安心感を根っこからお持ちの方だと思う。彼の演技力に大変期待しています」と信頼を置いた。

作品の見せ場については、外国人相手に見せる交渉術や勝海舟とのライバル関係を挙げた。日米修好通商条約の締結のために渡米した際、米国人相手にそろばんを使って計算したエピソードにも触れ、「ロシアが対馬を実効支配するときにロシア人相手に交渉を繰り広げるんですけど、対馬あたりも見どころになるんじゃないかなと思います」とも語った。

勝海舟とのライバル関係について「勝とは近代化の目指す方向が違ったので折に触れ対立するんですが、手を組むときもある。亀裂が生じて2人の運命が分かれていくところが見どころなんじゃないかなと思っています」。そのライバル役の配役にも注目が集まりそうだ。

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