フリーアナウンサー宮根誠司は29日、自身がMCを務める日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」(月~金曜午後1時55分)に出演し、ステージ4の膵臓(すいぞう)がん闘病を続け、28日に67歳で亡くなった経済アナリストの森永卓郎さんを追悼した。
森永さんは14年にわたり同番組のレギュラーを務めており、森永さんが番組で見せたさまざまな表情をまとめたVTRが放送された。
宮根はVTRの後で「森永卓郎さん、14年間『ミヤネ屋』のレギュラーを務めていただきました」とした上で「湿っぽく送るのは森永さんらしくないと思う」と述べた。
「経済に関してはブレないんですけど、それ以外のことに関してのモリタクさんというのは、いらないプライドとか、一切、偉そうにしない。チャーミングでかわいらしい人間のかたまりでしたからね」と振り返った。これに、自身も多発性骨髄腫を患った元経産官僚の岸博幸・慶大大学院教授が「経済の難しい話は学者はだれでもしゃべれる。それを分かりやすく説明してくれて、面白おかしく、ほかのこともやってくれる。だからお茶の間の人も森永さんの意見は聞くというのがずっと続いていた。本当にすごい方だった」と応じ、しのんだ。
宮根はまた、自分の頭を指しながら「一時、(森永さんは)カツラをのせていてね。そのカツラをずっと、(宿泊先の)ホテルの浴室で干していたんですよ」と明かし「それを忘れてミヤネ屋に来て、ホテルが大騒動になった」と笑わせる場面も。
「本当に、そういうことをおかしくしゃべってくれた。こうやって見ていても(亡くなった)実感はないんですけど、やっぱり湿っぽく送るのは違う。あの世があるとするなら、我々が行った時に、また面白おかしいものをいっぱい集めてサインをいっぱい集めて、楽しませていただきたいなあと思います」と、著名人のサインなどさまざまなコレクションで知られた森永さんの一面に触れ「レギュラー以外でもお仕事をたくさんさせていただいた。我々を楽しませて、いろいろ勉強させていただいた。ありがとうございました」と感謝の言葉を口にした。
悲しみをこらえ、「あの世でも、思い切り楽しんで遊んでください」とも述べた。
森永さんは28日午後1時33分、原発不明がんのため、自宅で亡くなった。同日、所属事務所が発表した。葬儀は近親者のみの家族葬で執り行うという。