吉本興業の芝居公演「吉本養成所物語2~オレたちの卒業公演・2024冬バージョン~」が、14、15日に東京・渋谷のヨシモト∞ドームで上演された。
タレント養成所NSC(吉本総合芸能学院)の講師を務める、放送作家前田政二氏(59)が原作・脚本・演出。吉本の若手芸人たちが、芸人たちのNSC時代を演じる。
前田氏の過去の実体験として、「女芸人のパンツを見ようと舞台下に潜り込んだ」こと、「先輩から衣装をごみ箱に捨てられた」こと、「あいさつの仕方がなってないと怒られた」エピソードも描かれた。
前田氏は1982年(昭57)にNSCに1期生として入学。漫才コンビ、銀次・政二として売り出した。フジテレビ系「オレたちひょうきん族」で「何人トリオ」のメンバーとして活躍、96年(平8)に作家に転向した。
若手芸人に交じって、ダウンタウンらと同じくNSC1期生で、前田氏と同期の「リットン調査団」水野透(64)もベテラン芸人役で出演。「自分自身もとてもいい刺激とパワーをもらった」。お笑いコンビ、細いとメガネの野本(36)と細井(32)も出演して盛り上げた。
途中、前田氏が舞台に登場、NSCの授業と同じようにアドリブで若手芸人たちとトークを繰り広げ、ダメ出しをするシーンもあった。
芸人養成所の先駆けとなったNSCには毎年、1000人近い生徒が入ってくる。いまや、演芸の世界で、昔ながらの師匠・弟子制度を希望して入門し、お笑い界の扉をたたくのは、全体の1、2%だという。
前田氏は「古き良き時代を描いて両日とも満員御礼、15日は立ち見席も販売する大盛況となりました。最後は、お客さまも出演者も涙するなど『笑いあり涙あり』の理想的な芝居となりました。水野と細いとメガネの“先輩3人衆”も、いろいろな場面で後輩たちを指導してくれて、僕も演出に専念することができました。次は全く別のテーマの舞台に挑戦したと思っています」と話した。
他に出演者は櫻岡一生、ヒロトクライマックス、たまゆら学園・わたあめりな/花澤まい、サンソン山村、田畑ふろしき、じろ、パンチャー☆うり、いぬ派ねこ派・きっぺい、中村右、笹やん、3×4の新・若武者、ゴムたかし。