NHKは19日、東京・渋谷の同局で、大みそかの「第75回NHK紅白歌合戦」（午後7時20分）の出場者発表会見を行った。SMILE－UP.（旧ジャニーズ事務所）からタレントマネジメント業務などを引き継いだSTARTO ENTERTAINMENT（スタート社）所属アーティストは、2年連続の出場「ゼロ」となった。初出場は10組で、紅組にILLITら3組、白組にCreepy Nutsら7組が選出された。
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2年連続でスタート社所属アーティストの名前はなかった。この日の発表会見後に、同局制作統括の大塚信広氏が取材に応じた。同社タレントの出演交渉は行っていたとし「個人的なものになりますが実際に交渉させていただいて、今回の出演者に名前が載っていないということになったのは残念に思っております。スタート社の皆さんとのお話し合いの中で、そうした判断になりました。詳細はお伝えできない」と述べた。
その上で、今後同社のタレントが追加出演する可能性を問われ、「ない」と明言した。複数回、同様の質問を受けたが、あらためて「ない」と答えた。
NHKは昨年9月、旧ジャニーズ事務所創業者ジャニー喜多川氏（19年死去）の性加害問題を受け、所属タレントへの新規の出演依頼を当面行わないと発表。同年末の紅白では44年ぶりに同社タレントの出場が見送られた。今年3月末で既存番組への出演起用も基本的に消滅した。
風向きが変わったのは、先月16日。定例会見で同局稲葉延雄会長がスタート社所属タレントの番組起用再開を発表。被害者補償と再発防止取り組みなどを評価したという。「紅白歌合戦の制作に向けて判断したわけではない」としつつも、スタート社勢の2年ぶり紅白出場と本格的な起用再開に注目が集まっていた。
起用難航の背景に、先月20日放送の「NHKスペシャル」でジャニー氏の問題を取り上げた影響があるとする報道もあったが、大塚氏は「影響はなかったです」と否定した。取材によると、局側から複数のグループに出場オファーがあったが、タレントやスタッフらと協議した結果、出場には至らなかった。
昨年大みそかは、グループごとにYouTubeなどで生配信を行い、ファンとの交流の場を設けていた。エンターテインメントが多様化する中、今年もスタート社勢の年末の活動や、紅白がいかに視聴者を獲得できるのか注目される。
