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萩原利久、ジャルジャル福徳デビュー小説原作映画主演「危険」「難しい」と感じ正解決めず役作り


東京国際映画祭のコンペティション部門に出品された映画「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」の舞台あいさつが行われ、主演の河合優実と萩原利久が役づくりについて語りました。萩原は、大学生役を演じる際に「さえない大学生」と簡単に決めつけず、共感できる部分と難しい部分を模索しながら役に取り組んだと説明。河合は、彼女のキャラクターの象徴であるお団子頭や衣装を通じて役を深めたと語りました。この映画は、ジャルジャルの福徳秀介が執筆した小説を元にした作品で、さえない青年が一人の女性との出会いをきっかけに変わっていく物語です。監督を務める大九明子は、過去に東京国際映画祭で観客賞を2度受賞した実績があります。

東京国際映画祭コンペティション部門出品「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」舞台あいさつに登壇した河合優実(撮影・村上幸将)

萩原利久(25)が1日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われた、東京国際映画祭コンペティション部門出品の主演作「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」(大九明子監督、25年4月公開)舞台あいさつに登壇。檀上で、いつもとは違う役作りへのアプローチについて、詳細に、丁寧に語った。

「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」は、ジャルジャル福徳秀介(41)が20年に発表した小説家デビュー作の恋愛小説の映画化作品。萩原は、さえない毎日を送る大学生の小西徹を演じた。役作りについて聞かれると、まず「さえない大学生…要素はあるけれど、キャラクターから入るのは危険だと思った。考えることから始めたんですけど、共感できる部分と、難しい部分がバックリあった」と切り出した。

その上で「演じる上で何かしら、きれいにして臨みたかった。割と正解を撮影前、決めるタイプですけど、難しくて…」と、いつもの役作りのアプローチでは困難さを感じていたと吐露。「無責任かも知れないけれど、正解を決めずに、ああなんじゃないか、こうなんじゃないかと考え、皆さんとお芝居したり、自然と会話していく中で見つかったものを信じていくのがアプローチ。監督の演出を受けて完成していった」と、芝居はじめ現場でつかみ、生まれた感覚で作り上げていったと明かした。

河合優実(23)は、小西と出会い、意気投合する桜田花を演じた。同じく役作りについて聞かれると、花のトレードマークの、お団子頭がヒントになったと説明。「団子頭もそうですし姿勢だったり、衣装合わせしていく中で、メイクなど外堀を埋めていった」と振り返った。「(原作の)小説を読むと、小西から見た桜田で書かれている。外から見たイメージで作ったので、お団子頭も大切な取っかかりになったと思う」と振り返った。

大九明子監督(56)は、17年に松岡茉優(29)主演の「勝手にふるえてろ」、20年には、のん(31)主演の「私をくいとめて」で東京国際映画祭史上唯一となる観客賞2度、受賞した“東京国際映画祭の申し子”だ。10月29日のワールドプレミアには1人で登壇したは、この日は伊東蒼(19)と黒崎煌代(22)も伴い「数日前のワールドプレミアは、たった1人。今日は、かわい子ちゃんを引き連れて、うれしい」と笑みを浮かべた。

◆「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」 思い描いていた大学生活とはほど遠い、さえない毎日を送る小西徹(萩原利久)は、学内唯一の友人・山根(黒崎煌代)や銭湯のバイト仲間さっちゃん(伊藤蒼)とたわいもないことでふざけあう日々。ある日の授業終わり、お団子頭の桜田花(河合優実)のりりしい姿に目を奪われた。思い切って声をかけると、拍子抜けするほど偶然が重なり急速に意気投合する。会話が尽きない中、「毎日楽しいって思いたい。今日の空が一番好き、って思いたい」と桜田が何げなく口にした言葉が胸に刺さる。その言葉は、くしくも、半年前に亡くなった大好きな祖母の言葉と同じで、桜田と出会えた喜びにひとり震える。

ようやく自分を取り巻く世界を少しだけ愛せそうになった矢先、運命を変える衝撃の出来事が2人を襲う。

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