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サカナクション山口一郎、うつ病の中、編み出した新たな制作スタイルは「分割式」


サカナクション山口一郎(2021年10月撮影)

うつ病を公表している、サカナクション山口一郎(44)が10日、インスタグラムを更新。楽曲制作の新しいスタイルを編み出し、音楽に向き合っているとつづった。

山口は「札幌に住んでいた頃、窓に暗幕を張り部屋を夜に偽装していた。なぜなら夜にしか作曲が出来なかったからだ。今も夜が主戦場だが、鬱病を患ってから新しい制作スタイルに挑戦している」と、夜にしかできない、かつうつ病の中、新しい作曲のスタイルを編み出したと明かした。

以前の制作スタイルについて「今まではどれだけ時間がかかっても、部屋から一歩を出ず、Wi-Fi環境も遮断し、集中が続く限り仮眠だけで済まし、家族や友人、スタッフとも連絡を取らず、宇宙空間に漂うデブリのように、孤独に、ただひたすら書き続けてきた」と説明。「それがとても心地良かったし、その過程で辿り着いた作品の純粋さに、ある種の信仰に近い感覚を抱いていて、その思いは今尚変わってはいない」と続けた。

その上で「だが、この病気になってから、この制作スタイルは非常に困難になった。まず薬を飲まなくてはならないので、その副作用として傾眠がある。長時間作業をし、集中しているとウトウトしてくるのだ」と、うつ病になって以降、薬の副作用の眠気と闘っていると明かした。「その傾眠との闘いを避けるため、独断で弾薬すると、最初は逆に調子が良いのだが、一度仮眠したり、仕切り直しをすると、身体的症状のみならず、精神的症状も現れ、制作状況が悪化してくるのだ」と、仮眠や仕切り直しが、かえって悪影響を与えると吐露。

さらに「あと、何日も言葉の宇宙に漂い、ワクワクしながらメロディとリズムという制約の中で隠喩や比喩の旅に出て現実に帰ってくると、揺り戻しでその倍以上の日数を鬱症状との付き合いに費やさなければならなくなるのだ。これは本当に困った」と、制作の中でそう状態となり心身が上向いた後、反動でうつ状態が悪化する、揺り戻しにも苦しむと明かした。

そして「なので、作業を分割式に変更してみた」と説明。具体的には「今までのように孤独に潜り続け書き続ける事は変わらないのだが、朝から5時間、休憩、そしてまた5時間、休憩、その繰り返しで眠くなったらしっかり寝て朝起きる。作業内容も、今日は一部分だけに集中し、調子が良ければその先も書く。ダメなら、ご飯を食べたり掃除をしたり、時には運動をしたりする」と、不調な時は、極めて普通な日常生活を組み込んでいると明かした。

成果については「最近、このやり方に変えてみて気づいたのだが、極めて普通なのだ。普通。良い意味でも悪い意味でもなく、普通なのだ。何か足りない気がするし、満ち足りてる感じもする。今までのロープの上を緊張しながら渡り歩く感覚はないが、身体的な負荷がなく、充実感がある」と説明。「もちろん、過度なストレスはあるが、それを凌駕する平穏があるのだ。このバランスは果たしてどんな結果を生むのか。兎に角、今はこのやり方を続けてみるしかない。新しい習慣で新しい自分になると決めたのだから」と今後への決意を示した。

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