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藤間爽子、映画「アイミタガイ」で写真家を演じ「気づかされたことがある」


映画「アイミタガイ」完成披露試写会に登壇した藤間爽子(撮影・村上幸将)

藤間爽子(30)が30日、東京・イイノホールで行われた映画「アイミタガイ」(草野翔吾監督、11月1日公開)完成披露試写会で、写真家を演じたことで「気づかされた」ことがあると明かした。

藤間は劇中で、主演の黒木華(34)が演じるウエディングプランナーとして働く秋村梓の親友、郷田叶海を演じた。中学時代、いじめられていた梓を救い、背中を押して引っ張ってきた存在だったが、唐突に命を落としてしまう。死後も、梓がLINEに変わらずメッセージを送ってしまうほど、心のよりどころにしてきた存在だ。

藤間は、叶海の役どころについて「正義感が強くて、夢をしっかり持っている。カメラマンで何げない日常を撮り、普通の人だったら通り過ぎる変化に、立ち止まれる勇気がある人」と評した。叶海を演じるに当たり、撮影中も何げない日常を撮ってみようと思った中「意識しないことに目を留めることに気づかせてもらった」と振り返った。

そして「見えないものが見えてくる…寄り添う気持ちって大切なんだと、演じていて、学ばせられた」と感謝した。

撮影中を振り返るトークの中で、黒木が「監督が撮影している時、モニタでも見ているけど、たまにニヤニヤして私たちの芝居を楽しそうに見てくださっているときがあって…ヨシッと」と、草野翔吾監督(40)の撮影中の様子を明かした。同監督が「ニヤニヤしますよ! 良い芝居を間近で見れば。お役さんにも、同じ場所を楽しんでもらっている気がする。現場で楽しもうというフラットな思いはあるかも知れない」と返した。

藤間は2人の掛け合いを聞き、ほほ笑んだ。そして「テストでイヤリングが取れちゃって華さんが芝居していたのを、監督は『取り入れよう』と。ニヤニヤしているんだけど、まなざしが怖い…というか見逃さない。こういうことも入れるんだと近くで思った。何げないところで、梓を立体化する」と、同監督の手腕をたたえた。

「アイミタガイ」は、2013年に刊行された中條てい氏の小説「アイミタガイ」の実写映画化作品。連作短編を、1本の映画にまとめた。19年「台風家族」の市井昌秀監督が脚本の骨組みを作り、11年「ツレがうつになりまして。」で知られる佐々部清監督が魂を注いだ企画だったが、同監督が20年3月に新作準備中の山口県下関市の宿泊先ホテルで、心疾患のため62歳で急逝。その思いを、25年2月7日に「大きな玉ねぎの下で」の公開を控える、草野監督が親友同士の梓と叶海、二人の関係を軸に、一期一会の連鎖が大きな輪になっていく群像劇を紡ぎ上げた。

舞台あいさつには、中学生の梓を演じた近藤華(17)と中学生の叶海を演じた白鳥玉季(14)も登壇した。

◆「アイミタガイ」 ウエディングプランナーとして働く梓(黒木華)のもとに、ある日突然届いたのは、親友の叶海(藤間爽子)が命を落としたという知らせだった。交際相手の澄人(中村蒼)との結婚に踏み出せず、生前の叶海と交わしていたトーク画面に、変わらずメッセージを送り続ける。同じ頃、叶海の両親の朋子(西田尚美)と優作(田口トモロヲ)は、とある児童養護施設から娘宛てのカードを受け取っていた。そして遺品のスマホには、たまっていたメッセージの存在を知らせる新たな通知も。一方、金婚式を担当することになった梓は、叔母の紹介でピアノ演奏を頼みに行ったこみち(草笛光子)の家で中学時代の記憶を、ふいに思い出す。叶海と2人で聴いたピアノの音色。大事なときに背中を押してくれたのはいつも叶海だった。梓は思わず送る。「叶海がいないと前に進めないよ」。その瞬間、読まれるはずのない送信済みのメッセージに一斉に既読がついて…。

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