吉永小百合（79）の夫で、元共同テレビ会長の岡田太郎（おかだ・たろう）さんが3日午前1時15分、胆のうがんのため、都内の病院で亡くなったことが13日、分かった。94歳。葬儀は故人の遺志で8日に家族葬として執り行い、後日、お別れの会を予定している。
喪主を務めた吉永は、直筆のメッセージで夫の死を公表し「昨年12月に胆のうがんと診断され、化学療法の治療を受けていましたが、転移もあり、症状が進んで、他界致しました」と経緯を説明。「病気に対しては、回復をめざして常に前向きでしたが、9月3日、94才で永眠いたしました。大往生だと思います」と夫の死に対する、自らの受け止めをつづった。
岡田さんは、かけがえのない存在だった。小学6年で子役として活動を始め、62年「キューポラのある街」で大ブレークした。約2年後の19歳の頃に仕事で出会い、当初は相談をする関係だった。その後、一気にトップスターへと駆け上がったが、大人の女優への脱皮ができずに苦しんだ。24歳で大失恋し、パリに失恋旅行に向かったことなどを機に、岡田さんを大切な存在だと感じるようになった。一方、離婚歴のある岡田さんは結婚にこだわらなかったが、吉永は周囲の反対を押し切り、家出同然で結婚。「名前を変えることで背負ってきたものを捨ててしまわないと、私はダメになるという思いが強かった」と振り返った。
半世紀、ともに歩んできた岡田さんが闘病する中、吉永は8月18日に自身124本目の映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」（阪本順治監督、25年公開）の撮影に入った。撮影は現在も続いており、関係者によると、吉永は普段と変わらぬ振る舞いだったという。吉永は詳細については言及していないが「私は地方での仕事を終え、病院に駆けつけ、傍に寄り添って看取ることが出来ました」と明かした。
