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78歳・堀田眞三 ヤクザから俳優の安藤昇お別れの会で弔辞「親分が一番かわいがった」/連載4


インタビューの合間に笑顔でビールのグラスを手にする堀田眞三

俳優堀田眞三(78)が11日から15日まで、東京・渋谷伝承ホールで演劇集団UTARI第4回公演「時は今 天が下しる 桔梗かな」(主催:K‘sLink宮島啓)に出演する。本能寺の変を新たな解釈で描く作品で、羽柴秀吉を演じる。出演は、他に若山騎一郎、加納明、田中正彦、賀集利樹、島本和人など。芸歴61年目、映画、テレビ、舞台合わせて2000作品に出演してきた堀田に聞いてみた。【小谷野俊哉】

◇   ◇  ◇  ◇

戦後の東京・渋谷の街を牛耳り、横井英樹襲撃事件などを起こした安藤組の組長から、俳優に転じた安藤昇が2015年(平成27)12月16日に89歳で亡くなった。翌年2月28日に東京・青山斎場で行われた「安藤昇 お別れの会」は、亡くなった菅原文太、そして松方弘樹、梅宮辰夫ら縁のあったスター俳優が都合のつかない中で堀田眞三の名前が挙がった。

「その時の東映は多田憲之社長ですよ。『岡田祐介会長と話したら、親分が一番かわいがったのは堀田眞三じゃないですか、それで行こうと』と多田社長がOKを出した。それで、僕が俳優代表として弔辞を読むことになった。ちょっと勘弁、待ってくれよ。東映にはスターがいっぱいだよ。なんで俺になったんだ、と思いました」

まぁ、それでも弔辞を書いて、当日は青山葬儀所に行った。

「で、ふっと見たら、いわゆる刑事の雰囲気、の方がいっぱいいらっしゃる。そういう筋の方が、皆さん来ますからね。東映のテレビセクションの方が僕のところに来て、いろいろ面倒を見てくれました。それで、まず会場を見せてくださいとお願いしました。安藤さんの写真があって、大きな花束がいっぱいあってね。あんなの初めてでしたね。左右に大きなモニターがあって、中島貞夫監督が撮った安藤さんの主演映画が流れている。思わず手を合わせて、頭を下げて控室に戻りました。そうしたら、酸素ボンベのチューブを付けた梅宮辰夫さんが来て『堀田、今日は頼むぞ。元気で頑張れよ』って」

21年8月に83歳で亡くなったアクションスター千葉真一さんは、東映ニューフェースの2年先輩。

「千葉さんはオーディションで選ばれてアメリカの映画の撮影に行った。そうしたら、オーディションの担当の人間に日本語を一生懸命の教えてたらしいの。何やら感性が普通の人間とは全く違っていたらしい。ちょっと的外れなところでもあったけど、結果的には、いろんな人生の中で、あれだけ名前を残せたということはすごいことですよ」

22年7月に69歳で亡くなった島田陽子さんとは、その半年前に電話では成したのが最後に亡くなった。

「島田陽子ちゃんも、亡くなる半年ぐらい前に電話が来て、二子玉(二子玉川)の通っているスナックから『堀田さん、会いたい』って。『どうしたんだよ』って聞いたら『私ね、このところ、気に入ってきて通っているお店があるんだけど、堀田さんのサインがあるから会いたい』って。マスターに代わってもらったら『島田陽子さんがパリの頃の思い出を2人で話したいっておっしゃってます』と。そんなこともあって、会えなかったんだけど、近々に会おうって言ってたんだ。それから、陽子ちゃんの体調が悪くなってダメ、会えなかった」

島田さんとは、その育ての親の平田崑氏を通じて知り合った。

「彼女たちがパリに来ると、平田さんが地中海ツアーってのをね。僕、あのファッションデザイナーのピエール・カルダンさんと親しかった時期があるんですよ。六本木にあった焼き鳥屋で、有名人が集まるところがあった。そこのカウンターで飲んでたら、そこにいた平田さんが『向こうの方が話をしたいとおっしゃってますよ』と。それがピエール・カルダンさん。それでごあいさつしたら、写真かなんかありますかって言うからプロフィルと一緒に持っていた写真を出したいんです。そうしたら、裏にカルダンさんが文章を書いてくれた」

そんなご縁があって、パリ行きませんかってパリに誘われて行ってたりした。

「カルダンさんが写真に書いてくれた短文章なんですけど、フランス語だから読めない。それから東映の本社に行く日があって、2階に喫茶店があったんですよ。そこへ千葉真一さんと、奥さまだった野際陽子さんがいる。野際さんは英語もフランス語も達者だから『これ何て書いてあるんですか』って。これには『あなたは一代で素晴らしい城を作れる魅力を持っている』って書いてあるって。それでカルダンさんがフィリピンに来い、フランスに来ないかと。フランスに行くことになった時に、平田崑さんとご一緒したりしました」

81歳で亡くなってから、今年の11月で亡くなってから10年になる高倉健さんとは、1977年(昭52)にTBSの連続ドラマ「あにき」で共演した。

「高倉健さんは、やっぱり次元が違う人でした。健さんが初めてテレビドラマに出て、TBSが作っていました。大原麗子さんが、妹役でね。健さんは鳶(とび)の頭の役で、秋吉久美子が健さんの恩人の娘として大事にしている娘。その秋吉久美子にどうやら男ができて、英語の先生みたいな。それのご指名が来たんです。健さんとTBSのビッグな作品でビッグな役をやらせてもらいました」

(続く)

◆堀田眞三(ほった・しんぞう)1945年(昭20)10月20日、熊本県御所浦町(現天草市)生まれ。63年第11期東映ニューフェース。64年映画「くノ一化粧」で俳優デビュー。70~72年TBS「キイハンター」。73年映画「やくざと後送 実録安藤組」。79~80年TBS系「仮面ライダー」。10年(平22)NHK大河「龍馬伝」。176センチ。血液型O。

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