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2000作品超えの78歳、堀田眞三が舞台「時は今 天が下しる 桔梗かな」で初めて羽柴秀吉役


インタビューの合間に笑顔でビールのグラスを手にする堀田眞三

俳優堀田眞三(78)が11日から15日まで、東京・渋谷伝承ホールで演劇集団UTARIの公演、舞台「時は今 天が下しる 桔梗かな」(主催:K‘sLink宮島啓)に出演する。

本能寺の変を新たな解釈で描く作品で、羽柴秀吉を演じる。出演は、他に若山騎一郎、加納明、田中正彦、賀集利樹、島本和人など。芸歴61年目、映画、テレビ、舞台合わせて2000作品に出演してきた堀田に聞いてみた。

   ◇   ◇   ◇

時代劇の題材として根強い人気を誇る本能寺の変。天下統一に向かっていた織田信長を、家来の明智光秀が謀反を起こして倒し、やがて豊臣秀吉が天下を治めていく。

「羽柴秀吉、豊臣秀吉をやるんです。台本を読ませてもらってありがたいなと思いました。作品の主役は光秀、もう一人は信長、そして私、豊臣秀吉。この三人がメインになってる。台本でもエンディングがそうなってます。本能寺の変、そして山崎の合戦までを描くんですが、一番おいしいところで秀吉が出てくる。芝居の真ん中と後半の部分、そしてラストに出てきておいしいセリフでさらっていくという」

映画、ドラマ、舞台で2000作品以上に出演。秀吉を演じるのは初めてだという。

「いろんな形で東映、松竹、東宝で本編(映画)に関わらせてもらってますがね。桶狭間の戦いで今川義元の首を取った織田信長方の侍、毛利新介役とかね。『今川義元殿とお見受けいたします』なんてね。時代劇には何百本も出演させてもらってますから、思い出はいろいろあります。時代劇というのは、元々は歌舞伎で伝えていたものが映画が主流になって、東映がわーっと設定した(笑い)。東映の娯楽作品が、いろいろ作り上げてしまったところもありますね」

外国人の血が入っているかと勘違いされる濃い顔。猿と呼ばれた秀吉のイメージとは違う。

「大役なんですが、キャスティングを聞いて『俺が羽柴秀吉でいいの』って、びっくりしたところがありました。軽い感じの顔の人っていうわけじゃないですか。猿ですからね。だから僕はメークをちょっと凝ろうかと思っています。ちょっと、崩してみようとかね」

時代劇の登場人物は、肖像画こそ残っているが写真が残っているわけでなはい。そこに役者の工夫が入る余地がある。

「昔、『忠臣蔵』の吉良上野介をやらせていただいたことがある。上野介って言うのは、歴代のレジェンドと言われる方もやってらっしゃる。俺はどうやって演じればいいか分かりませんでした。もう好きなようにやっていく。それでヒゲを生やしたり、勝手なことをやらせてもらったら結構、上野介だった(笑い)。他にも松永弾正をやらせていただいたり、いろんなレジェンドの大役が舞い込んで来た。東映が作った娯楽の集大成ですからね」

稽古を重ねる中で、森蘭丸役の賀集利樹(45)に注目した。

「森蘭丸を賀集君がやるんだけど、織田信長のお稚児さん。賀集さんは、お芝居がちゃんとしている。初めてセリフを聞いた時に、時代物をきっちりやろうとする心意気を感じました。のね。いいキャスティングだなと思いました。この作品は、来年1月にも能舞台で上演されるんです」

酷暑の夏を芝居の稽古で乗り切った。

「俳優人生61年目。まだこうやって元気でやれている。周りから絶滅危惧種だとだから貴重なんだと。よく一緒にやってた原田芳雄、地井武男、夏八木勲、蟹江敬三、寺田農さんが亡くなった。皆さん、ちょうど戦中の生まれで、僕は一緒に現場で戦った仲間。その人たちが召されていってしまったけど、まだ俺は元気でやれてる。今ネット社会だから、俺が頑張れてる様子を俳優仲間が見てくれて『お前、まだ元気でやれてるってすごいな』『とにかく頑張ってくれ。お前は、そういう意味では絶滅危惧種的な存在』とか連絡してくる」

78歳にして枯れることなく、充実した俳優人生を送っている。

「これからもっと頑張って、立派な“死に花”を咲かせようと思っています。おかげさまで、若い俳優さんに立ち向かっていけてるのがうれしい。何より、現場に出られているのがうれしい。それは、きっかけを作ってくれる人がありがたいんですよ。やっぱり巡り合わせというか、そういうことじゃないですか。運だと思ってるんですよ。出会いは運だと。出会いっていう運に勝る才能はない。運も実力の1つでありますから、そういう意味で、すごく恵まれてるなと思ってます」

今年は映画に2作品出演した。4月公開の映画「霧の淵」(村瀬大智監督)では、山奥で老舗旅館を営武、主人公の祖父を演じた。

「孫娘と、その母親、そして僕が演じる祖父の話ですからね。河瀬直美監督がエグゼクティブプロデューサーを務めたんだけど、そのおかげもあって俺を見直していただいた。のオフィシャルページを見ていただいて、外国からも今、話が来ている。歌手のリサイタルのゲストになんていう話も来ている」

2018年(平30)にはMr.Childrenの「here comes my love」のミュージックビデオに出演して大きな話題を呼んだ。

「ミスチルさんのMVを見た海外の人も、僕のことを知ってオファーをくださる。ロシアから、日本人のヤクザのボスとロシアマフィア対決すると映画のオファーもあったんです。これは肉体的にも、いろんな意味でラストだろうと思っていたんですが、コロナ禍で流れてしまいました。打ちたくもないワクチンを売って準備していたんですがね」

(続く)

◆堀田眞三(ほった・しんぞう)1945年(昭20)10月20日、熊本県御所浦町(現天草市)生まれ。63年第11期東映ニューフェース。64年映画「くノ一化粧」で俳優デビュー。70~72年TBS「キイハンター」。73年映画「やくざと抗争 実録安藤組」。79~80年TBS系「仮面ライダー」。10年(平22)NHK大河「龍馬伝」。176センチ。血液型O。

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