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日本記録保持者に勝った暁トリオの暁光雄がやり投げ北口榛花にエール「メダル取ります。金です」


ビニール傘片手にやり投げのポーズを取る暁トリオ、暁光雄(撮影・阪口孝志)

パリオリンピック(五輪)陸上女子やり投げで昨年の世界選手権を制した優勝候補、北口榛花(26=JAL)が予選に臨む。金メダルを獲得すれば、やり投げだけでなく、投てき種目で日本女子初の快挙だ。

北口の活躍に熱視線を送るのが音曲漫才トリオ、暁トリオの暁光雄(62)。高校時代、やり投げの選手として活躍。金メダルの期待がかかる北口に「うれしくて仕方ない。いろんな人に『俺、北口に記録抜かれたんや』ってしゃべりたくてたまらない(笑い)」と顔をほころばせる。

競技にも注目が集まり、「本当は生で競技場で見てもらいたい。やりの角度、スピード…、きれいですよ。ハンマーや円盤とはまた違う飛び方は感動します。あと投げたときの声。あれ、声を出さないと肺がつぶれるんですよ。生の迫力を感じてもらいたいですし、選手が投げる合間、どうやってリラックスしてるとかしぐさも見てほしい」と、より関心が高まることを期待している。

自身もやり投げ選手として将来を期待される存在だった。大阪・初芝高1年の2学期から陸上を始めた。当初は3段跳びの選手だったが、週に1回好きな競技にチャレンジしていい日があり、やり投げに出会った。「やり投げは高校からしかでけへんので、見たこともなかった。2年と3年に1人ずつやってる先輩がおって、教えてもらいながら投げてみたら40メートル。先輩の記録を抜いてもうた。見ていた先生から『明日からやり投げや』と言われて変更しました」。

そこから猛特訓で、2カ月後の11月の大阪ジュニアオリンピック選手権に出て優勝。もともと中学時代はバレーボールをしており肩は強かったというが、新星誕生だった。

オフも猛特訓。2メートル60センチのやりを真っすぐに飛ばすため、16ポンドのボウリングの球を真っすぐ転がして手首を強化したり、家に帰っても、竹串をふすまに真っすぐ投げる練習をした。

効果はすぐに現れた。投げるほど記録が伸び、シーズン開幕前の阪和対抗陸上競技大会では「熊野高校の溝口和洋さんに勝ったんですよ」。1学年先輩で後に84年ロス、88年ソウルの両五輪に出場し、今も日本記録を保持する溝口氏に勝ったこともあるという。大阪代表でインターハイや、生まれ故郷の宮崎で行われた国体にも出場。「故郷に凱旋(がいせん)できたようでうれしかったですね。隣には(浪商の)牛島(和彦氏)とドカベン(香川伸行さん)がおりましたわ」。

順風満帆。最高記録は62.4メートル。大学から推薦の話も来たが、そこがピークだった。

「肩を痛めてしもたんです。腰も椎間板ヘルニアに。3年はもうダメでした。練習しすぎましたね。大学から推薦ももろてましたけど、あきらめました。どうしようもなかった」。

自身がケガで競技生活をあきらめたこともあり、惜しくも予選敗退に終わったが、男子やり投げにロンドン五輪以来3大会ぶりに出場したディーン元気には「腰や脇腹のケガもあったようでね。やり投げは腰、肩、肘と助走を止めるときの左膝のケガが多い。ケガから戻ってくるのはすごい」と敬意を表した。

そして、北口だ。「北口さんを見てると、助走から投げる動作に入ったときにスピードが緩まない。ムダがないですね。真っすぐ投げるのもうまい」。動作にムダがないのはもちろん、「昨年の世界選手権もそうですけど、6投目にあれだけ投げられるのがすごいですね」という。

6投目は当然プレッシャーがかかり、疲れもある。それまでの試技で調子も分かっており、気分が乗らなかったり棄権したりとメンタルの維持が大変だ。加えて、競技中はライバル選手や陣営から言葉でも揺さぶられる。逆に、1人で考え込んでも気がめいる。それだけに、「そんな中でも、北口さんはニコニコとマイペースでやってるのがすごい。普通ではできない。精神力がすごいです」。

光雄も北口のメダル獲得を信じて疑わない。「期待できますね。メダル取ります。金ですよ。6投目で。彼女しかできないです」。快挙の瞬間を心待ちにしている。【阪口孝志】

◆暁光雄(あかつき・みつお)本名・姫野栄一。1962年(昭37)5月15日生まれ、宮崎県出身。84年、「宮川左近ショウ」で活躍した暁照雄に弟子入り。87年に師弟三味線漫才コンビ、暁照雄・光雄を結成。15年、照雄の死去でコンビ解散。弟弟子になる暁明夫、暁輝晶(あきら)と暁トリオを結成。175センチ、78キロ。A型。

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