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京都南座の9月花形歌舞伎「あらしのよるに」(9月4~26日)の取材会が6日、大阪市内で行われ、中村獅童(51)中村壱太郎(34)が出席した。
「あらしのよるに」は発刊30周年を迎えるロングセラー絵本が原作(きむらゆういち作)、藤間勘十郎演出。嵐の夜に山小屋で偶然出会ったオオカミとヤギの友情物語。9年ぶり初演の地(南座)に戻ってくる獅童は「あのとき『演目どうする?』となって、前から歌舞伎化したかった『あらしのよるに』に決めました。絵本が原作なので、古典にくわしい京都のファンに受けるか不安でした」と手探りでの船出だった。
しかし、観客が獅童を後押しした。「学生さんの団体が来られて『退屈して居眠りされたらどうしよう?』と思っていたら、すごく熱心に見ていただいて。最後は総立ちになってカーテンコールでした。そこからチケットの売れ行きも加速して、劇場の支配人が『札止めです!』と喜んでいたのを覚えています」
絵本が原作でも、歌舞伎の基本は押さえている。獅童は「奇抜なことをやるわけではありません。絵本だから子ども向きに見せるのじゃなく、真剣に取り組む姿勢を感じてください。ふだん『小さな子どもがいるから、歌舞伎に行けない』とおっしゃる人にも、ぜひ」
過去、尾上松也が演じていたヤギを今回演じる壱太郎は「9年前は客席から、この作品を見ていました。小学生ぐらいの子どもたちが舞台を見て笑っていたのが印象的です」
獅童の2人の息子も、ビデオで今作を見て、オオカミやヤギのマネをして喜んでいるという。「家に帰ったら、本当は舞台のことは忘れたいんですけど」と獅童は苦笑していた。