歌手小林幸子（70）が2日、東京・銀座の新橋演舞場で「小林幸子60周年記念公演in新橋演舞場」を開いた。「おもいで酒」「雪椿」、そして新曲「オシャンティ・マイティガール」や「千本桜」など全18曲を熱唱した。昼公演ではさだまさし（72）をゲストに迎えて、さだに作ってもらった「約束」を一緒に歌った。
終演後、取材に応じた小林は「60年、自分でもびっくりしますけど、ありがとうございます。60年なんて初めてなんで、こういうのが60年なんだな」と笑った。
1964年（昭39）に10歳で「ウソツキ鴎」で歌手デビューして20万枚のヒット。だが、その後は79年の「おもいで酒」が200万枚超えの大ヒットになるまで15年も低迷した。「決して順風満帆ではありませんでしたが、何があっても『歌が好き』ということだけはぶれなかった」と振り返った。
ステージ上では“10歳の小林幸子”を再現した「AI幸子」と共演。AI幸子から「私はこの後、どんな60年を送るの」と聞かれると「いいことばかりじゃないけれど、楽しいことがたくさんある」と笑顔で答えた。「声もそっくりで、最初は泣いちゃってボロボロに。60年前の自分と会話ができるなんて、本当に生きていてよかった。60年も歌うなんて、当時は考えられなかった。やめようと思ったこともあるけど、やめなかったのは好きだったから。やめることも覚悟なら、続けるのも覚悟。やめないでよかった」と話した。
70歳を迎えても「外反母趾（ぼし）が痛いだけ」という若さと美貌を保つこつを聞かれると「ストレッチをするけど週に2回くらい（笑い）。歌は腹筋、背筋をすごく使いますから、うまい、へたは関係なく体が軽くなる」と話した。
歌手としての転機を聞かれると、小林は「いろいろあったけど、さだ兄（にい、さだまさし）は、いつも寄り添ってくれた。そういう時も『今はサチ、何にも言うな』と言葉をくれた」とさだに感謝した。
そして「12年前にニコニコ動画と出合って、全然知らないネットの世界に出合った。“小林幸子の知らない小林幸子”を教えてもらった。若いスタッフが勧めてくれることを、あらがうことなくなんでもやってきました。これから何をやりたいかじゃなく、今を一生懸命やること。このステージをやったことで、また新しい何かが出てくると思う」と話した。
ステージでは「100周年まで頑張ります」と宣言したが「聞かなかったことにしておいてください」と笑った。
パリ五輪で頑張る日本代表の選手たちについては「スケボー、すごいですね。オリンピック競技になるなんて思わなかったけど、若い子がドンドン出てくる。パリオリンピック、日本頑張れー！」とエールを送った。
