俳優大泉洋（51）が、9月放送予定のテレビ朝日開局65周年記念ドラマプレミアム「終りに見た街」で主演することが29日、分かった。同局では初主演。脚本は宮藤官九郎（54）が手がけ、2人のタッグも初となる。
同ドラマは脚本家・山田太一さんの同名小説が原作。82、05年に同局で映像化され、今回が19年振り3度目。戦時下の昭和19年にタイムスリップした放送作家とその家を描いている。大泉はテレビ脚本家の田宮太一を演じる。
大泉がオファーを受けたのは「『こんにちは、母さん』（23年）という映画で宮藤さんと、役者として共演したすぐ後ぐらいだった」という。「機会があれば、いつか宮藤さん脚本ドラマに出たいなという思いもあったので、単純にうれしかったです」。
宮藤の脚本については、「40年前に書かれた山田さんの世界観に、現代のテイストをふんだんに盛り込みながら描いている」とし、「さらに戦争というテーマでありながらも、宮藤さんならではのお笑いも果敢に盛り込んでいて、なんて面白い脚本なんだろうと大変感動いたしました」。
同作は「いわゆる辛い戦争の歴史を振り返る再現ドラマではなく、現代人がその時代にタイムスリップした時にどうなっていくのかという作品」と表した。その上で「最後には非常に考えさせられる展開があり、何かしら『戦争』について考えるきっかけになる作品だと思う」とし、「ぜひ見ていただけたらなと思います」と訴えた。
一方、「オファーする前から勝手に当て書きしていました」という宮藤さん。大泉を「微妙にネガティブ」とし、「そこが大泉さんと山田先生と、僕の共通点だと思います」とした。「劇団では作劇を担当することもあるからでしょうか、脚本家の役はピッタリだと思いました」。
同作について「戦争経験の有無が、僕と山田先生の大きな違い」としつつも、「それを逆手に取って、実感を伴わない主人公の『反戦』が、この苛烈な物語を通じて実感を帯びてゆくという大きな流れを意識して書きました」という。「彼らに感情を乗せることで、戦争の愚かさを感じることができると思います」とコメントした。
