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田中あいみ23歳「今なら歌える」3年前に「まだ若すぎる」見送られた演歌歌手、幻のデビュー曲


笑顔で新曲「TATSUYA」の「T」をポージングする田中あいみ(撮影・中島郁夫)

<情報最前線:エンタメ 音楽>

演歌歌手の田中あいみ(23)が、24日に新曲「TATSUYA」を発売する。

死んだ竜也の後を追いたい、でもおなかのこの子が止めるんよ…。ストレートな表現の奥にあるテーマは命の尊さと母性愛。21年のデビュー作候補だったが「歌うにはまだ若すぎる」と見送られた幻のデビュー曲だ。今なら歌える! 26日に24歳になる歌姫に心境などを聞いた。【松本久】

   ◇   ◇   ◇

若さゆえの苦悩や葛藤を衝撃的なワードでつづった作品だ。

「自分でやっているラジオ番組(ラジオ大阪「原田年晴 かぶりつきフライデー!」)で初めて流した時にコメントがめっちゃきました。その3分の2が批判的だったんです」

なぜこの曲を出そうと思ったのか。売れると思っているのか。コンプライアンス的にNHKで歌えるのか-。だが、批判や懸念の声が殺到しても「歌いたい思いはぶれません」と言い切る。

「旦那がオートバイで亡くなったという歌詞で、当時19歳か20歳の自分には理解できへんかったんです。でも26日に24歳になります。友人にはシングルマザーで頑張っている子も多いし、自分もデビューからの3年で変わりました。『分かる』っていう思いがあるからこそ共感しながら歌いたい。ただ、シングルマザーの友達がどう思うかと考えるとちょっと不安もありますけど…」

21年のデビュー作「孤独の歌姫」から5作目。「これまでに歌ったどの曲も『芯のある女性像』を描いた作品で、この楽曲もそうやと思っています。令和の歌謡界をぶっつぶすくらいの勢いのすさまじい歌詞なので、何か変化が起きるんじゃないかなと思います」と期待している。

歌詞は漢字の「竜也」だがタイトルは「TATSUYA」とローマ字表記だ。「いろんな『たつや』に当てはまるように」と広がりや普遍性を求めた。

デビューから一貫して、演歌歌手の“定番”である着物やドレスは着ない。大阪弁でユニークな発言を連発するが、ここまでの道のりもまたユニークだ。

3歳のころから人前で歌った。父親が通うスナックに連れて行かれ、演歌や歌謡曲を客とデュエットすると500円をもらえた。「今思えばあのお金は一体どこにいったんやろう(笑い)」。小3からは近所の歌謡サークルに通った。数々の大会で入賞し、賞品を持ち帰っては家族を喜ばせた。高1でレコード会社のオーディションを受けたが落選。「写真で落ちて歌わせてもらっていないんです。当時16歳で金髪、ミニスカートでちょっとおなかが見えるワンピースの写真。友達には『それは当然落ちるわ』と言われました」。悔しいから19年に再挑戦。「作戦を練って高校の制服を着た写真にしました」。ギャルから清楚(せいそ)系に変え、2500人の中からグランプリに選ばれてデビューへの道が開けた。

これまでの人生を振り返ると「伸びしろしかない。ほんまにとんとん拍子なんです」と大笑いする。苦労が芸の肥やしになる。そういう言葉もあると水を向けると「演歌の世界では『悔し涙を流して』とかね」と相づちを打ちつつも「自分にもいつかはそういう時も来るだろうとは思っているんですけど、ほんまに毎日が超ハッピー。楽しくて楽しくて」。 笑う門には福が来る。ポジティブシンキングの田中を見ているとそんな言葉が浮かぶ。昨年、ダウンタウン浜田雅功(61)がMCを務めるTBS系の「オオカミ少年・ハマダ歌謡祭」で全国放送のバラエティー番組に初出演。ここで浜田に「女将(おかみ)」と呼ばれ、いじられたことでファン層が一気に広がった。

「すんげー勢いです。ちっちゃい子が歌のキャンペーンに来てくれて、私のことをまず『女将』と呼ぶんです。『田中あいみ』の名前は知らなくても『あれっ、女将じゃね?』という感じで足を止めてくれる女子高生もたくさんいます。人生がコロッと変わった気がします」

演歌歌手としての目標は「NHK紅白歌合戦に出場すること」。だが、田中あいみとしては「スーパースターになること」だという。

「デビューの時からの目標です。21年の東京五輪開会式でMISIAさんが『君が代』を歌った。私もいつか日本代表としてオリンピックで歌いたい。次の日本開催は50年後かも? その時は70歳すぎてますけど私、狙っていますから。それが唯一の夢です」

歌手としての最終的な到達点を100とすると「デビューの時は0・5点で、今は15点くらい。それを『TATSUYA』で50点くらいにはもっていきたい」。そのためには「全国の皆さんに3回は聞いてほしい。1回だとこの歌の深みというか重さが伝わらないかも。でも3回ならジーンとくる時が絶対にくる」。太鼓判を押した後で「ラーメンでも、この店で3回食べたら病みつきになるみたいなことがようありますやん。それと一緒。1回じゃないんですよ」とアピールした。

トレードマークはポニーテールと派手なネイル。外見は“異色”だが、正統派の歌唱力と表現力は折り紙付きだ。歌う姿勢もまじめそのもの。「できることなら死ぬまで歌手をやりたい。もし明日死ぬならば、今日を精いっぱい頑張るだけです」。謙虚に話す田中が1曲入魂で歌う「TATSUYA」。発売は2日後だ。

◆田中(たなか)あいみ 2000年(平12)7月26日、京都市出身。京都先端科学大卒。19年に日本クラウン新人オーディションでグランプリ獲得。21年11月に「孤独の歌姫」でデビュー。22年に「大阪ロンリネス」で日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞。細川たかし音楽事務所所属。趣味はネイル。好きな言葉は「Let it be」。155センチ。血液型B。

■所ジョージ作詞曲 木梨憲武とデュエット

所ジョージ(69)と木梨憲武(62)による“新しい田中あいみ”を見いだすプロジェクトも進んでいる。すでに2曲が所の作詞作曲で出来上がっている。「仁川エアポート」は所とのデュエット曲。田中は「所さんが私の声を聞いた上で、昔から大好きな桂銀淑さんをイメージして作ってくれた作品です」と説明する。木梨とのデュエット曲「ドアを開けてみた」は軽快なポップス曲。いずれも8月に配信リリースの予定。

■本格芝居に初挑戦

8月には本格的な芝居に初挑戦する。大阪・新歌舞伎座で8月18日に開幕する「梅沢富美男劇団 梅沢富美男 研ナオコ 特別公演」(同30日まで)に出演する。芸者見習いの半玉役で「初めてかつらをかぶるんです」と楽しみにしている。10月2日からは東京・明治座公演。

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