歌舞伎俳優松本幸四郎(51)、長男市川染五郎(19)が10日、都内で「七月大歌舞伎」(同1~24日、東京・歌舞伎座)で上演する「千成瓢薫風聚光(せんなりびょうたんはためくいさおし) 裏表太閤記」の取材会を行った。
豊臣秀吉、明智光秀の2人、取り巻く人々を描いた物語。81年に市川猿翁さん(当時の3代目猿之助)が手がけ初演して以来、43年ぶりの上演となる。
初演は昼夜通しての上演だったが、今回は夜の部での上演。初演をベースに物語を凝縮して作り上げる。幸四郎は「猿翁のおじさまが初演された時のエネルギーと熱量を受け継ぎ、さらにすごいものになるようにしたい」と意気込みを語った。豊臣秀吉、孫悟空、鈴木喜多頭重成の3役を演じ、宙乗りも行う。幸四郎は「古典歌舞伎の演出を取り入れた太閤記の世界は、歌舞伎にとって得意中の得意。ザ・歌舞伎を楽しんでいただけると思います」と自信を見せた。
染五郎は幸四郎が演じる重成の息子鈴木孫市、宇喜多秀家の2役を演じる。「ストーリーもそうですし、立ち回り、宙乗り、視覚的にも楽しんでいただける。話も分かりやすいと思います。ぜひ若い方に見ていただきたい」と話した。
松本白鸚も出演し、親子3代が同じ場面でそろうという。