俳優武田鉄矢（75）が13日、文化放送「くにまる食堂」に生出演し、94歳で亡くなった小山内美江子さん（本名＝笹平美江子、ささひら・みえこ）をしのんだ。文化放送がこの日、その様子を発表した。
小山内さんは、TBS系ドラマ「3年B組金八先生」シリーズの脚本を務めたことで知られ、5月2日に亡くなった。全シリーズで主演を務めた武田は、小山内さんと長く親交があり、番組冒頭「その時が来たかと。永遠にっていうことは人間の命ではありませんので、どこかで覚悟はしていた」と口にした。
武田は「金八先生」の卒業生と、ときおり会っており、「加藤優（を演じた直江喜一）と一緒にゴルフをした時に、小山内先生に何かあったらお前が頼むな、という話をしていた」と打ち明けた。
また、武田は主演に抜てきされた理由、経緯にも言及。「当時、裏番組が人気刑事ドラマ『太陽にほえろ！』やプロレス番組など強烈な中、TBSは刑事ドラマがなかなか振るっておらず学校を舞台にしたドラマをやろうという話が持ち上がった」と当時の状況を説明した。
そこで「『幸福の黄色いハンカチ』やTBSドラマに出ていた武田の存在を気にかけていたディレクターから声がかかり、3人の絢爛（けんらん）たる女流脚本家、向田邦子さん、橋田壽賀子さん、小山内美江子さんを紹介された」とし、小山内さんとの出会いを明かした。
学園ドラマの先生役に、武田を推したのも小山内さん。「あの手の熱いヤツっていうのは中学校の先生にはいいんだ。異様なヤツがいい」として、武田に白羽の矢を立てた。さらに、海援隊のステージにも足を運び、ステージでなめらかトークを展開する武田を見て、武田起用の決意を固めたという。
「（小山内さんから）最初は負けていい。ただし、立派に負けよう。中学生のドラマではこれまで扱っていないようなテーマをどかんとやろう。その『先生』は“性”や“人間”ついて語るんだ。負け戦を正しくやりませんか、と言われたのが振り出しだった」
武田は、「金八先生」の誕生秘話にも触れ、自身の大きなターニングポイントとなった日々を振り返り、小山内さんをしのんでいた。
