俳優・戸塚純貴(25)、水野久美(80)、松本若菜(33)、山崎一(49)、歌手・香川裕光(31)が22日、東京・銀座の丸の内TOEIで映画『ケアニン~あなたでよかった~』(監督:鈴木浩介/配給:ユナイテッド エンタテインメント)公開記念舞台あいさつを鈴木監督、監修を務めた『あおいけあ』代表の加藤忠相氏とともに開いた。
戸塚演じる新人の介護福祉士・大森圭が「なんとなく」ながら始めた介護の仕事を通して本気になっていく姿から、働くことの意味や、人と人、地域との繋がりの尊さなどを描く、笑って泣ける感動作。神奈川県藤沢市に実在する『おたがいさん(株式会社あおいけあ)』をはじめ、約30ヶ所の介護福祉施設や専門学校、関連団体の取材協力もあって完成している。
戸塚は本作で大森圭を演じるにあたって「介護士は初めて演じさせて頂いて、知識量もそんなになくて、加藤さんの『あおいけあ』さんにもお邪魔させて頂いたりしてたくさん勉強したんです。けど、これから成長していく姿が描かれていたので、自分の中だけで考えた知識量で臨むのは良くないなと思って。そこで、とてもいい共演者さんたちに囲まれていたので、その人たちのエネルギーを受け入れられる余白をつくって現場に臨みました」と、心構えをして臨んだという。
「正直に言うと、介護に対して前向きなイメージを持っていなかったんです。仕事が忙しいから預けてしまうとか、家庭の事情があったりしてとか、ちょっと窮屈なイメージがどこかにあったんです」という戸塚だが、作品を通して考えが変わったそうで、「『あおいけあ』さんに伺ったときにおじいちゃん、おばあちゃんが普段と変わらない生活をしてる姿があって、ガラッとイメージが変わったというか、前向きなイメージに変わって。1人1人ができることがあるんじゃないかと思っているんです」と、体験を通してのコメントを寄せた。
水野は認知症という難しい役どころだが、「何にも考えないでやりました。私と同い年という設定だったので、もし自分がそうだったらどうなるんだろうかという気持ちで演じさせて頂いたんです。監督さんも好きにさせてくださったので本当にボケてるのかなと思ったのはありましたけど(笑)」と、裏話を話しつつ「みなさんがこの映画を観て、何か心に残るものをと思って、一生懸命頑張りました。もし認知症になっても頑張りましょう!」と、呼びかけた。
松本は作品の反響や、山崎は台本を何度読んでも感動で泣いてしまったこと、加藤氏も「6回観ているんですけど、5回目が劇場で観て1番泣いたんです。3年前にプロデューサーさんにお話を聞いたときに大丈夫かなと思っていたんですけど、自分が1番感動しました」と、作品の出来を称え「介護は特別なことじゃなくて、ものすごく難しいことに考えるんですけど、目の前のじいちゃんばあちゃんは普通の生活なんです」と、訴えた。
イベント終盤には、この日がたまたま戸塚の誕生日だったことからサプライズバースデーを敢行!香川の生演奏によるハッピー・バースデー・トゥー・ユーや水野がケーキのオレンジをあーんしてあげ、戸塚は「きょうは最高の誕生日になりました!」と、ニッコリだった。
そして戸塚から「みなさんが経験するようなことが、この作品にあると思います。僕もそうなんですが、僕と同い年の人はこういうことを考えることから遠くなっている気がするんです。そういうのを1人1人が考えてくれるきっかけになれば。身の回りの大切な人と観てもらえたら」と、スピーチしていた。
映画『ケアニン~あなたでよかった~』は全国公開中!