『オペラ歌手アニソン紅白歌合戦』が24日、東京・汐留 BLUE MOODで開かれバリトン歌手の高橋正明氏、テノール歌手の今村一貴氏、ソプラノ歌手の六角美華氏、メゾソプラノ歌手のナムユカ氏が、熱唱を見せ集まった観客を魅了した。
アニメやゲームのオーケストライベントなどに声楽家ゲストで歌唱することはよくあるが、本イベントでは、若手オペラ歌手らがアニソン、ボカロ、特撮ソングなどを“歌唱してみた”という試み。男性歌手が白組、女性歌手が紅組に分かれて歌合戦が繰り広げられた。
場内は着席形式で、シックな雰囲気のなかに、『北斗の拳』の『愛をとりもどせ!!』や『美少女戦士セーラームーン』の『ムーンライト伝説』などが流れるものとなった。
そしていよいよ、1曲目。生バンドの演奏が始まると高橋氏が登場し歌手・水木一郎の名曲『マジンガーZ』の熱唱から幕開け。続けては、六角氏が『いきものがかり』が歌ったアニメ『NARUTO -ナルト- 疾風伝』から『ブルーバード』を雰囲気たっぷりに、今村氏が『ONE PIECE』から『ウィーアー!』をグルーブ感満載に、ナム氏が『キューティーハニー』と少しセクシーに歌い上げる。
初めての試みだけに、序盤は観客も歌手たちも少々緊張気味なところがあったが、中盤からの高橋氏&今村氏による『仮面ライダーメドレー』あたりからは場内の熱気もグングンと上昇!とくに今村氏の『少年よ』(『仮面ライダー響鬼』)は伸びのある声で情感たっぷり。対する六角氏&ナム氏は『ジブリメドレー』として『となりのトトロ』や『君をのせて』など美しいハモリで観客の心を掴んでいく。
後半で場内のテンションも最高潮に達し、ナム氏の『薔薇は美しく散る』(『ベルサイユのばら』)や、今村氏の『千本桜』など、ノリノリの振り付きで歌手たちも楽しんでいる様子を見せる。結果は僅差で白組が勝利となり、ラストは全員で『宇宙戦艦ヤマト』を歌い上げ終演を迎えていた。
興奮冷めやらぬ場内で終演直後、今村氏にいまの気持ちを尋ねると、「楽しかったですね!正直に言うともっと歌いたいです!!」と、まだまだ歌い足りない様子。さらに、「クラシックのコンサートでは歌えなかった曲がいっぱいあって、大好きな曲を本当の本気でお客様に向けて歌えて、なんて気持ちの良いコンサートなんだって。ほかの歌手のみなさんもリハーサルのときに出ていなかった声量が出ていて」と、全力を出しきれていたよう。
セットリストは「僕らのファンの方々はあまりマニアックな曲は知らないですし、かといって王道ばかりの曲ならやる意味がないからじゃあどうしようと。そこで、全部ではないですが、しっかりとクラシックの歌唱力を聴かせられるものにしつつ、『意外!』と、思って頂けるものをと思いました」と、狙いを明かしてくれることも。
また、普段はクラシックなどでの歌唱をしているという今村氏だが、「クラシックのコンサートだとお客さんが行儀よく静かに聴いてくださるというのがほとんどなのですが、すぐにリアルタイムで反応が来るというのは新鮮です。歌いながらお客様からエネルギーをもらえた感じです」と、目を輝かせていた。
■セットリスト
M1:マジンガーZ(『マジンガーZ』)[高橋]
M2:ブルーバード(『NARUTO -ナルト- 疾風伝』)[六角]
M3:ウィーアー!(『ONE PIECE』)[今村]
M4:キューティーハニー(『キューティーハニー』)[ナム]
M5:仮面ライダーメドレー[今村&高橋]
レッツゴー!!ライダーキック(『仮面ライダー』)→Journey through the Decade(『仮面ライダーディケイド』)→少年よ(『仮面ライダー響鬼』)→仮面ライダーBLACK RX(仮面ライダーBLACK RX)
M6:ジブリメドレー[六角&ナム]
となりのトトロ(『となりのトトロ』)→もののけ姫(『もののけ姫』)→さよならの夏 ~コクリコ坂から~(『コクリコ坂から』)→やさしさに包まれたなら(『魔女の宅急便』)→君をのせて(『天空の城ラピュタ』)
~休憩~
M7:ア・ホール・ニュー・ワールド(『アラジン』)[六角&高橋]
M8:とびら開けて(『アナと雪の女王』)[ナム&今村]
M9:残酷な天使のテーゼ(『新世紀エヴァンゲリオン』)[六角]
M10:キミがいれば(『名探偵コナン』)[高橋]
M11:ルパン三世のテーマ(『ルパン三世』)[今村&高橋]
M12:Story(『ベイマックス』)[六角&ナム]
M13:薔薇は美しく散る(『ベルサイユのばら』)[ナム]
M14:千本桜(初音ミク楽曲)[今村]
M15:宇宙戦艦ヤマト(『宇宙戦艦ヤマト』)[高橋&今村&六角&ナム]
■演奏
ピアノ:御法川恵里奈
バイオリン:若宮百香
サックス:種村修太
ベース:菊田茂伸
ドラム:まぁびぃ