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いきものたちの正常で異常なケンカ法


動物たちのケンカといえば角を武器にするシカやつかみ合い、タックルなどをしかけるゴリラなどはテレビやネット動画でよく目にしますがこれらはケンカらしいケンカ。


中には壮絶過ぎる争い、かわいらしい戦い、それってケンカなの? というバトルが動物界では繰り広げられています。そこで、今回はいきものたちのちょっと変わったケンカや争いをピックアップします。


ペンギン



見た目がかわいらしいペンギンも当然、縄張り争いやメスをめぐってケンカをします。この際、威嚇のため背筋をピーンと伸ばしくちばしを高く上げ少しでも体型を大きく見せます。そして殴り合いは例の羽でペシペシ叩き合い。当たっているんだかいないんだか、威力があるんだか無いんだかわからない真剣な殴り合いでケンカをします。


ヒラムシ


海の岩の下などにすむ扁形動物ヒラムシ。その名の通り平べったいこいつは雌雄同体。ではどのようにして交尾をするのかというと、これは互いの陰茎を用いてケンカのような形で行います。お互いの陰茎を相手の身体のどこかにぶっ刺そうと激しくバトル。刺された方がメスとなり卵を産みます。ちなみにこの戦いに勝利した方はスタコラとすぐいなくなるそうです。


サンゴ


海に棲むサンゴ。岩などにへばりついてケンカはしないように見えますが、成長に必要な光をめぐって領土争いをすることがあるそうです。サンゴは移動できないので同種個体を連結しながら群体を大きくしていきます。


こうしていくといずれ別のサンゴとぶつかりますが、こうなると戦いの火ぶたが落とされます。まずスウィーパー触手という長い触手で攻撃。続いて消化器官の隔膜糸で攻撃、相手を消化します。また、我先にと成長し相手を影で覆うという戦術をとる場合もあるそうです。


ボノボ



何種類か最も人間に近いと言われる動物がいますがそのひとつがチンパンジー。彼らは非常に好戦的で他の群れと大戦争を起こし駆逐してしまうこともあるそうです。一方で見た目がチンパンジーにそっくりで人に近いといわれるところも似ているボノボは真逆で平和的。アフリカ中央部赤道付近のコンゴ盆地に生息する彼らは、そもそも争いごとを好まない性質で群れを作って暮らしています。


それでも他の群れと接触する時など一触即発となることもありますが、そんな時は、疑似的な交尾行動でやり過ごします。オス同士ならお尻のつけ合い、メス同士なら性器のこすりあいホカホカと呼ばれる行動で緊張を緩和します。


チベットモンキー


動物のケンカはよく耳目にしますが仲直りの手段をもつ動物はあまり聞きません。そんな方法を持っているのが中国中東部の森林に群れで暮らすチベットモンキー。彼らは攻撃的でケンカが絶えないそうですが、負けた方が優位な猿(リーダーとか)に赤ちゃん猿を捧げます。


その子ザルを気に入るとブリッジングと呼ばれる、赤ちゃんを掲げる行動をとり仲直り成立となります。彼らの中では子供は特別な存在なようで仲裁の他にも挨拶行動にも利用したりするそうです。


キリン



のんびり屋に見えるキリンですが、ケンカは意外と壮絶。メスをめぐり争うことがあるようで、長いものになると5メートルもあるという首でネッキングと呼ばれる打撃戦を行います。その長い首をぶんぶん猛スピードで振り回し相手を頭突きのような形でぶん殴ります。やられた方も同様に応戦。こんな争い方をするものだから首の骨を折って死んでしまうキリンもいるようです。


さて、ネッキングで決着がつかないケースもありますが、そんな場合はオス同士で顔をなめ合ったりくっついたりしてデレあうんだとか。


壮絶な殺し合いをする動物もいれば仲直りや独特の方法でクールダウンする動物もいて考えさせられます。人間も暴力やネットでレスバしている場合ではなく、彼らを見習いたいものです。





BOXING BEAT(ボクシング・ビート) 2018年12月号 (2018年11月15日発売)

Fujisan.co.jpより


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