先日、オシャレ放送局J-WAVE(FMラジオ)の人気番組「STEP ONE」で、とても興味深いセミの話をしておりました。テーマは、「都会で聞くセミの声、最近変わってきてるのはなぜ?」。
最近、「セミの声が変わってきたな?」とお感じになっている方、いらっしゃいますでしょうか…。小生は、まったく気が付いておりませんでしたが、この放送を聴き、そういえば、こんな声で鳴いていたな…と、関西で過ごしていた子供時代に聞いていたセミの声を思い出したのでございます。なんでいきなり関西の話がでてくるのは…。しばし、セミ話、お付き合いくださいませ。
番組にはゲストとして、千葉大学大学院の園芸学研究科・応用昆虫学研究室の野村昌史准教授様がいらしておりました。先生によると、確かに都会のセミの鳴き声は変わってきているとのこと。ただし、セミが酷暑のために夏バテで声が変わっているわけではございません。
セミの鳴き声ではなく、東京に生息するセミの種類が変わってきているのでございます。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、セミは種類によって泣き声が違うため、普段聞いているセミの声が変わったように感じるのでございます。
東京では、6月下旬ごろから鳴き始めるニイニイゼミ(「ジィ~♪」)、ミンミンゼミ(「ミンミンミン♪」は減り、変わって関西地方に多いクマゼミ(「シュワシュワシュワ♪」)が増えているそうでございます。
一昨日まで家の前でクマゼミが鳴いてた。 pic.twitter.com/MRgXqIfvxp
— Akitsuya yusuke (@YSK_TGS) 2018年8月19日
放送では、各セミの鳴き声も紹介されていたのですが、クマゼミの泣き声を聞いた時、そういえば関西にいた子供の頃、聞いていたのはこの声だ!と思い出したのでございます。気になる方、是非、YouTube等でセミの鳴き声をチェックしてくださいませ。
ではなぜ、クマゼミが増えてきたのか…。
東京では気温が低くて幼虫が越冬できなかったのが、地球温暖化の影響で冬の気温が高くなり東京でも越冬できるようになったんだそうでございます。ちなみに、ミンミンゼミが減った理由としては、公園の地面が踏み固められ幼虫が地中に入れなくなっているケースが増えているからだとか…。
こういった温暖化による昆虫の北上は、セミだけではないそうで、チョウのナガサキアゲハでも同じ現象が起こっているようでございます。名前の通り、昔は九州地方にしか生息していなかったのが、今では東京でも見られるようになっているとのこと。
どうやら、気温だけでなく、身の回りの景色や自然の音まで変化してきているようでございます。おそるべし、地球温暖化でございます…。
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Fujisan.co.jpより