タレントのおのののか、モデルやグラビアとして活躍しているほのか、俳優の妻夫木聡、この3人にはある共通点がある。なんでしょう??
それは、『野球場でビールの売り子のアルバイト』をしていたこと。近年、野球場でバイトするビールの売り子さんが雑誌などでピックアップされ、プチアイドル視される傾向にある。
ビールの売り子さんは歩合制で売った分だけ時給が増えるそうで、東京ドームで売り子をしていたおのののかは、多い時で1日400杯を売るほど人気だったとか。時給は8000円以上になり、1日3時間、週3日で、月収30円以上を稼いだそうだ。
売り子のペナントレース
- 週刊プレイボーイ/週プレ 2015-11-16 発売号
Fujisan.co.jpより
そんな中、数年前から売り子の集客力を見込んで力を入れているのが千葉ロッテマリーンズ。2015年には4人組の売り子アイドル「カンパイガールズ」を結成させ、ビールの売上目標を達成できなければ解散、というイベントでファン獲得と話題性に一役買った(※結果、達成できず解散)。
そして今年も「売り子ペナントレース」が火蓋を切った。立ち売り販売のドリンクメニュー(ソフトドリンクも含む)を販売している経験5年以内の女性売り子88名(途中参加も可)が熾烈な戦いを演じる。
千葉ロッテマリーンズHP(https://www.marines.co.jp/news/detail/00002145.html)
東京ドームと富山開催を除く主催全試合の総販売杯数で競われ、見事1位に輝くと、優勝賞品「ハワイアン航空 成田~ホノルル往復ペア航空券」がプレゼントされる。
開幕からホームゲーム6試合を終えた時点でのトップは、販売4年目のまりなさんで合計1125杯。1試合当たり187.5杯を売った計算になる。マリーンズファンの常連さんをどれだけ掴むかが鍵になるとかで、なんだか違う夜のお店な匂いもしてくるが、「このお姉さんからビールを買うとチームが勝つんだ」と言う、ジンクスも出来て買ってくれるお客さんもいるそうだ。
なにはともあれ、売り子さんの売上レースはモチベーションにもなるので結構なことだと思う。
売り子は超ハード
だいたいどこの球場の売り子は時給+歩合制なので、売れば売るだけバイト料が手元に入る。だから試合中はほぼ休みなく動きっぱなしで、かなりキツイ仕事らしい。
某メーカーのビール樽は背負うと重さ約15キロ。それにコップなどいろいろなアイテムを含めて20キロ近くをまとうことになる。当然ビールが売れれば樽の中身は軽くなり、空になったら取り替える。これを繰り返す。
試合時間は凡そ3時間、延長にもなれば4時間を超えるし、球場の階段はかなり急な場所も多いので相当きつい。走行距離は売れっ子さんで7~8kmになるだろう。
真夏のデーゲームは地獄、雨が降っても仕事は続けなければならない、どんなときでも笑顔は絶やせない。
また、特に危険なのは飛んでくるボールだ。数年前、横浜スタジアムでホームランボールが顔面を直撃し大けがをした売り子もいた。売り子は野球帽やサンバイザーをかぶる人が多いが、ヘルメットを着用させればいいのにとよく思う。腰痛持ちは多く、ドリンクを注ぐ際は地面に膝を着くため、膝頭が黒く痣になるのが悩みというのが”売り子あるある”なんだとか。
スカウトを装ったサギも
売り子発のタレントが生まれたことから注目度が増したのはイイこと。しかし、その裏で困った問題も起きている。いかがわしいスカウトの“声かけ”が増えたそうである。
「どこかの芸能事務所に入ってるの?」「AKBに興味ない?」「モデルにならない?」
単なるナンパならまだしも、芸能界をチラつかせてくる声かけは悪質で、中にはAVへの斡旋事務所絡みの人間もいるに違いない。本当に芸能界にスカウトしたいなら、球場の関係者に話を通してから対面する機会を設けてもらうのが筋だ。彼女たちはドリンクを売ることに集中しているので話に乗った子がいるとは考えにくいが、そんなトラブルに巻き込まれる可能性もあるということ。
また、お客との2S写真には気軽に応じてくれる子は多いが、いかがわしい角度からの盗撮を狙う不届き者も増えている。勘違いしちゃいけない、彼女たちはアイドルでもなんでもない一般人なのだ。
ただ、売り子に会うには野球場のチケットを購入する条件がある。雑誌などに写真を載せ、広告塔としての扱いをしたなら、それは意図的に世間に晒したことになるわけで、売り子の関係者はまさかの危険に遭わないようケア、サポートしてあげてほしいと思う。
これから徐々に暑くなる。スタジアムで野球観戦しながら冷たいビールをぐぐっと飲むのは醍醐味だ。どうせビールを飲むなら、一番可愛いと思う売り子さんが近くに来るのを待って買うのは、“野球観戦あるある”だ、言うと頷く男はかなり多いはず(笑)。