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土俵の女人禁制の理由は「神様の嫉妬」? 神の目線で現代風に見直してみては


4月5日、京都府舞鶴市で行われた大相撲の春巡業で多々見市長が土俵上で倒れた際、処置に近寄った女性に対し、「女性は土俵から下りて」とアナウンスされたことがニュースとなりました。

八角理事長は、この件に対し謝罪しましたが、クローズアップされたのは、これまで幾度か話題になっている「土俵の女人禁制」です。誰もが疑問に思うのは、「どうして土俵は女人禁制なのか?」でしょう。では、簡単に説明します。

女性の神様

相撲の歴史は古く、約1500年前からあったとされています。そして、そもそも相撲は、その年の農作物の豊作を願う儀式だったとされています。

【なぜ裸の男性が戦うのか?】

相撲には何柱かの神様がいるとされていますが、その豊作を司る神様は女性です。そこで、屈強な男が互いの肉体をぶつけ合わせて戦う様子を見て楽しんでもらおう、という意図から相撲は行われました。

神様に楽しんでいただく土俵は、男が戦う場所である。そこに女性が上がると神様が嫉妬してしまう、そう考えて土俵は女人禁制としました。

要するに、女王様にイケメン達を見せてご堪能戴いている所に、他の女が割り込んでちょっかいかけるなんて許さん! …という感じ。男の格闘技だから女は入るな!とか、男が偉いから女は入るな! という傲慢な理由ではなく、女性の神様への配慮として決められ、その伝統を今も守っているというわけなんです。

更に驚くような歴史を振り返ると、女性が相撲を観戦することすらNGだった時代もあったそうです。理由は同じで、力士の近くに女性がいると神様が嫉妬するというものでした。

女性が土俵に上がれない理由は

『豊作の神様が女性なので嫉妬するから』

なんです。神様の気分を損ねると凶作に繋がるので頑なに守る必要があったのです。

時代は変わった…けれども

大相撲協会の人間で、この由縁を知っている人がどれだけいるのでしょう? 「女を土俵に上げてはダメ」という決まり文句だけが先に立ち、それを守る義務感が強すぎるだけなのではないでしょうか?

ここからは個人的な意見です。おこがましいのは重々承知で、神様の立場になって考えてみてはどうでしょう?むか~しの神様は、土俵に女性が上がったら「男に近づいてなによあの娘! 凶作にしてやる!」と怒ったかもしれません。でも、時は流れに流れました。神様だって今風の感性をお持ちでしょう。

土俵で倒れた男性を助けに女性が土俵に上がったら、女の株が上がるってもんですし神様も感心なさったのではないでしょうか。断髪式で力士のお母さんが土俵に上がっても嫉妬なんてするでしょうか? 親子愛に感動するのでは?

「総理大臣が女性になったら表彰式のときはどうする?」と、よく言われますが、私の感覚では、男尊女卑の時代が長かったことを考えれば、神様は「日本の政治の天下を取った女か!どうぞどうぞ!」と褒め称え迎え入れてくれるのではないでしょうか? 

先日、宝塚市の女性市長が「土俵に上がれず残念」と鼻息荒く訴えていましたが、このような地位や名誉のある方なら神様は嫉妬などしないのではないかな? と思います。ただ、この市長さんの場合は、個人的には地位を利用して土俵に上がりたい欲とエゴ的な気構えが感じ取れて、相撲に敬意を評していないように思えました。神様も人を見たのかもしれませんね。

誰もが上がれるわけではない

1996年から正式にアマチュアの女子相撲大会は行われているので、プロの大相撲との考え方にズレはあるかもしれません。定かではありませんが、女人禁制の土俵は国技館と靖国神社のみと聞いたこともあります。それはさておいても大相撲が行われる土俵は日本一神聖な土俵といっていいでしょう。女人禁制のしきたりは特に大相撲の土俵にあてはまるのでしょう。

ワイドショーのコメンテーターなどは、総じて「古いしきたりを見直せ」と言っていました。確かに、遡れば1500年前の神事に行き着くのでとんでもなく古いしきたりです。しかし、しきたりを重んじ守り続けることも大切です。

そもそも男だって誰もかれもが土俵に上がることなんて出来ません。女性解禁になったとしても、土俵に上がらせていただく重みすら知らない品格の無さそうな女がズカズカと土俵に上がったとしたら、神様は嫉妬するどころかお怒りになり、日本中の作物を凶作になさるかもしれません。女性でも、土俵に上がる者は神様の前に出しても恥ずかしくないレベルにあることが求められます。

しきたりに配慮した”神様が嫉妬しないであろう女性”と、時代の流れを考慮して、大相撲協会はケースバイケースでの女性土俵解禁を正式に認めてみてはどうでしょうか。

相撲 2018年4月号 (2018年03月29日発売)
Fujisan.co.jpより
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