株式会社Aホールディングスおよび駿河GXテクノロジー株式会社は、グループの事業構想や今後の展望を発表する事業発表会を開催した。登壇した駿河GXテクノロジー代表取締役の青山総士氏は、「地球を救う、人類を救う」を基本理念に掲げ、水、環境、医療、エネルギーの4領域から社会課題の解決を目指す方針を明らかにした。

グループの強みは、大学などの研究機関との共同研究で生まれた技術を、自社内で製品化・サービス化し、社会実装まで一貫して担う点にある。中でも中核となる構想が、静岡市内の約50万坪に及ぶ保有地を活用した「スーパーシティ構想」だ。医療や研究、物流、住宅、防災などの機能を備えた新しい都市づくりを進め、将来的には10万人規模の人口流入や新たな雇用の創出を見込む。
さらに、再生医療やエンターテインメントを融合させた富裕層向けの長期滞在型ラグジュアリーホテル事業も、2030年から2035年にかけて段階的な展開が計画されている。
具体的な事業展開の一つである「PFASゼロ水事業」では、グループ会社の富士山GXホールディングスを通じて、天然水や浄水型ウォーターサーバーを「フレシャス」ブランドで全国展開している。自社施設内に分析機器を導入して徹底した品質管理を行うほか、海外展開としてネパールでの天然水事業も進めており、今後は周辺国への販路拡大も視野に入れている。

また、再生医療事業においては、山梨県富士吉田市の細胞培養加工施設を基盤に自社製品の開発・製造を行い、2026年11月には銀座に自社クリニックを開業予定だ。これを起点に全国の医療機関とのネットワークを広げ、研究から医療提供までを一貫して手掛ける体制を強化していく。
環境保全や防災の分野では、高温高圧の技術を用いた「亜臨界水処理事業」に注力している。有機廃棄物を燃やさずに肥料や液肥として再資源化できるほか、静岡市清水区で回収された超高濃度のPFASに対しても、亜臨界水処理によって99%以上の濃度低減に成功している。今後は装置の小型化や、災害現場へ持ち運んでその場で処理を行える移動式技術の開発も進められている。
さらに、清水区の保有地や美保・島地区では、産業・物流拠点としての活用に加え、南海トラフ地震などの大規模災害時に備えた防災拠点としての整備も進められている。防災分野の一環として、防衛技術協会との調査をもとに、平時はスポーツ施設などとして利用し有事には住民を守る「フェーズフリー」なシェルターの社会実装も模索されている。海中ドローンの運用負荷を軽減する「海中非接触充電技術」の開発など、海洋GXに向けた取り組みも活発化している。
Aホールディングスグループは、こうした研究開発から製造・営業までが一丸となった事業体制のもと、主要4社を中心に2030年度のグループ売上高1兆円の達成を目指し、持続可能な社会の実現へ向けた歩みを加速させている。
16年前から掲げる「地球を救う、人類を救う」という使命

株式会社Aホールディングス代表取締役社長の粟井英朗氏が登壇し、自らの言葉でグループの原点と熱い思いを語った。
粟井氏は、自身が16年前に富士山GXを創業した当時から、「地球を救う、人類を救う」という理念や目的を掲げて歩んできたと振り返る。少子高齢化や地球温暖化といった現代の深刻な課題に対し、道徳的・知性的なアプローチでどう解決していくかという問いを、日々365日24時間考え続けてきたという。今般の発表で行われた静岡市での大規模な事業展開についても触れ、静岡市にとっても大きな期待が寄せられるこの取り組みは、同社の企業理念をまさに体現するものであると強調した。
粟井氏は、グループの最大の特徴として「研究から製造、営業までをグループ内で一貫して担う」という強みを挙げた。同氏が会社設立の初期から目指してきたのは、「この理念を共有できる仲間と一緒に実現する」ことだという。男女、年齢、学歴、経歴を問わず、理念に共感する仲間が集まり、共に歩んできた。
さらに、その強い決意の表れとして、グループの経営管理を推進する「経営管理促進サダンホールディングス」を立ち上げたことを明かした。粟井氏自身は、グループの成長や社会的還元を最優先するため、株式の売却益や配当金などを一切自分のものとせず、親族への遺産相続すらも「ゼロ」にする方針を掲げている。自身の利益を私せず、すべてを会社や社会の成長、そして地球環境の保全のために還元するという強い姿勢を貫いている。
同グループが誇る富士山の天然水は、世界でも類を見ないほどPFAS濃度が低い「PFAS 0.1」という圧倒的な品質を誇る。米国国防総省が持つ最高水準の検査機器を自社グループに導入し、徹底した品質管理を行っている。

また、ネパールでの大規模な天然水事業についても言及し、2025年設立予定の現地法人や、同年11月に予定されているネパールと日本の友好70周年を記念した生産工場の地鎮祭に向けた準備が進められている。ネパールのエベレストの真下で掘削された永久凍土の清らかな水は、世界中の人々に届けられる計画であり、国内のみならず地球規模での水環境改善を見据えている。
筆者も取材の中で実際に粟井氏と言葉を交わす機会を得たが、一度話を聞けばその熱量と魅力的な人柄に引き込まれ、自然と周囲に人が集まる理由が強く実感できた。溢れんばかりの情熱とパワーを携えた同氏が、今後どのような未来を切り拓いていくのか期待が膨らむ。
静岡市・難波市長が登壇。崇高な理念に期待を寄せる

事業発表会には、静岡市長の難波喬司氏が来賓として出席した。難波市長は、グループが掲げる「地球を救う、人類を救う」という理念に深く共感を示した。またAホールディングスグループから地域創生に向けた総額15億円(1年目1億円、2年目4億円、3年目10億円)の寄付がされることに感謝状と共に敬意の意を表した。

志を共にする仲間たちと共に『地球と人類を救う』ための挑戦を止めず、社会貢献へ突き進む強い決意を示したAホールディングスグループ。彼らの情熱と革新的な技術が、これからどのような未来をもたらしてくれるのか、期待を込めて注目していきたい。
